研究課題/領域番号 |
21K03335
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
森継 修一 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (50220075)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 計算幾何学 / 数式処理 / 消去計算アルゴリズム / 和算 |
研究開始時の研究の概要 |
和算とは主に江戸時代の日本で独自に発達した数学であり、特に、寺社に奉納された多数の「算額」によってその水準の高さが国内外に知られるようになってきている。これまで、数学史研究の立場から文献解釈に基づく研究が積み重ねられてきているが、「手計算では扱えない複雑な問題」に対しては、コンピュータサイエンスの視点と成果を取り入れた計算の実行や公式の検証が期待されている。本研究では、和算で扱われた計算幾何学の問題に対し、現代の数式処理を適用し、特に消去計算アルゴリズムの効率化・精緻化を目指す。
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研究実績の概要 |
従来から取り組んできた「円内接多角形問題」の研究を引き続き行った。特に、七角形および八角形の場合の「面積×半径」公式の計算を主要な目標として取り組んだ。この問題に関する解法としては、(A)『終結式による消去計算によるもの』と、(B)『式の対称性や同次性に基づき、想定される結果に対する数値補間によるもの』の2方法が考えられる。 (A)の方法では計算機のメモリが不足することが早々に明らかになったため、主として(B)の方法を模索した結果、七角形の場合には計算が完了し、全体で31,590項の式になることが判明した。このときの結果とアルゴリズムの詳細をまとめて、査読付き学術雑誌論文として刊行することができたのが、今年度の主要な成果である。 先行研究では、「31,590項になる」という事実だけが指摘されていて、アルゴリズムが明らかにはなっていなかったので、「計算可能なアルゴリズムをひとつ明らかにした」点では、新たな成果であるといえる。 その結果を受け、引き続き、八角形の場合に取り組んだが、七角形の場合に比べて急激に計算すべき項数が増えるため、ストレートな計算の延長では計算機のメモリが不足して、全体を計算することは不可能であることが判明した。そこで、同じ「円内接多角形問題」でも、「面積公式」を扱ったMaley他の先行研究を参考に、新たな定式化と消去計算アルゴリズムを模索している。現在は、そのための予備的な実験を継続して行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実績の概要に示したように、「七角形の場合」は計算可能なサイズの式が出力されるが、「八角形の場合」は計算可能な範囲を超えたサイズの式になることが想定される。そのため、適用するアルゴリズムを根本から見直す必要がある段階に至っている。
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今後の研究の推進方策 |
当面のターゲットは、「円内接八角形の『面積×半径』公式の計算」である。アプローチとしては、Maley他による先行研究における定式化の利用である。面積公式の導出に関する彼らの方法では、図形の上の関係式を、最初から辺長の基本対称式表現で導くため、よりコンパクトに関係を記述することが可能である。その考え方を『面積×半径』公式にも適用できないか、新しいアルゴリズムを探索している。
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