研究課題/領域番号 |
21K03339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12030:数学基礎関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
家本 宣幸 大分大学, 教育マネジメント機構, 特任教授 (70161825)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 一般線形順序位相空間 / Tyconoff積 / density / spread / C*-embedded / P-embedded / リンデレーフ / 距離化可能 / 辞書式順序積 / 順序数の積空間 / C^*-embedded / Tyconoff 積 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究代表者は過去30年間一般線形順序位相空間の通常の積の位相的性質を調べてきた。最近、本研究代表者によって一般線形順序位相空間の辞書式順序積が定義され、これまで限定的であった辞書式順序積の研究対象を広げることができた。この研究では、一般線形順序位相空間の通常の積と辞書式順序積の位相的性質の違いを明確に解明し、応用として応募者らが発展させてきた順序数空間の積の理論とその周辺の未解決問題に決着をつけることである。
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研究実績の概要 |
本年度は、通常のTyconoff積空間の考察も行い2023年度出版のTopology Proceedingsに、平田氏、大田氏との共著論文として発表することができた。「順序数の部分空間の積空間において、閉部分空間がC*-embeddedならばP-embeddedである」ことが平田・矢島の結果として知られている。z-neighborhood-sublinearという空間概念を定義し、z-neighborhood-sublinear空間達の有限積の部分空間もz-neighborhood-sublinearであることを示した。その結果、平田・矢島の結果は「順序数の部分空間の積空間において、任意の部分空間がC*-embeddedならばP-embeddedである」と「閉部分空間」を「任意の部分空間」に改良することができた。 また、コロナで前年度まで発表の機会がなかった薄葉氏との「順序数の積空間の部分空間において、C*-embeddedであるがP-embeddedでない閉部分空間の存在が通常の集合論と無矛盾である」という結果を数理研で口頭発表し、その後数理研講究録にも掲載された。この論文は上記の平田・矢島の結果「順序数の部分空間の積空間において、閉部分空間がC*-embeddedならばP-embeddedである」に関して提唱された問題「順序数の積空間の部分空間において、閉部分空間がC*-embeddedならばP-embeddedであるか?」に対してZFCと無矛盾な解を得たものである。 秋の学会では平田氏・矢島氏との共同研究「順序数の積の部分空間における可算パラコンパクト性と閉離散部分集合のC*-埋め込み」が発表された。この結果は、順序数の積空間において「閉離散部分集合がC*-埋め込み可能」という性質と「可算パラコンパクト」という性質の違いについて述べたものである。 冬のジェネラルトポロジーシンポジウムでは平田氏との共同研究「Cardinal functions on lexicographic products」が発表された。この結果は一般順序位相空間の辞書式順序積のdensityとspreadの計算公式について述べられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、研究代表者によって定義された一般順序位相空間の辞書式順序積について、パラコンパクト性、継承的リンデレーフ性、完備性、連結性、weightなどについて一定の成果を得てきた。 本年度は、当初計画通り「問題III 一般線形位相空間の辞書式順序積が継承的リンデレーフ(完全、距離化可能、可分)になるための必要十分条件は何か?」の考察を行った。特に可分周辺について、辞書式順序積のdensity、spreadの考察に主体を置いた。その結果、与えられた各ファクターの濃度、density、spreadと辞書式順序積の長さから辞書式順序積のdensity、spreadが完全に決定されることを示し、それを求める公式を作った。これらは論文として投稿され、ほぼTop. Appl. にacceptされる予定で、これから最終の修正版を送るところである。現在は辞書式順序積のリンデレーフ性の特徴付けについて考察している。
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今後の研究の推進方策 |
残り1年の研究期間で現在進行中の辞書式順序積のリンデレーフ性の特徴付けを完成し論文として掲載されることを目標としている。また最終目標である辞書式順序積の距離化可能の特徴付けについて議論を発展させたい。
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