研究課題/領域番号 |
21K03362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
村瀬 洋介 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (30709770)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 進化ゲーム / 協力 / 直接互恵 / 繰り返しゲーム / 進化 / ゲーム理論 / 大規模計算 |
研究開始時の研究の概要 |
繰り返し囚人のジレンマに代表される社会的ジレンマの問題は、ゲーム理論における中心的テーマとして長らく研究されてきた最も基本的な問題である。これらのゲームにおける有効な戦略として、しっぺ返し戦略をはじめとした多くの戦略が提案されてきたが、一般にこれらの戦略には一長一短が存在する。申請者は、近年これらの問題において、「負けないことが保証された直接互恵戦略」という新奇な戦略クラスを発見した。本研究では、このクラスの戦略の研究をさらに進展させ、搾取に対して頑健な協力現象が進化の過程においてどのような経路を経て生じるかを進化ゲームを用いて明らかにする。
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研究実績の概要 |
繰り返し囚人のジレンマに代表される社会的ジレンマの問題は、ゲーム理論における中心的テーマとして長らく研究されてきた最も基本的な問題である。これら のゲームにおける有効な戦略として、しっぺ返し戦略 (Tit-for-Tat)をはじめとした多くの戦略が提案されてきたが、一般にこれらの戦略には一長一短が存在す る。我々は、近年これらの問題において、「友好的ライバル戦略」という既存の戦略の「いいとこ取り」をした様な新奇な戦略クラスを発見した。 本研究課題では、このクラスの戦略の研究をさらに進展させるため、次の2点を具体的目標としている。(1)一般のn-player の公共財ゲームにおいても有効な戦略を構築する。(2)友好的ライバル戦略が進化の過程においてどのような経路を経て生じるか(あるいは生じないか)を進化ゲームを用いて明らかにする。 (1)については昨年度までの研究ですでに、一般のn人ゲームにおける友好的ライバル戦略を発見することに成功し、論文として成果を出版している。 昨年度は(2)の研究に取り組んだ。友好的ライバル戦略は記憶長の長い戦略の中にしか存在しないため、記憶長3の戦略空間(10^19もの戦略が存在する)の中での進化の計算を行なった。その結果、通常の均一的な集団を考えると友好的ライバルは進化の結果現れないことが明らかになった。友好的ライバル戦略の強力さを考えると驚くべきことだが、友好的ライバルは非常に稀な頻度でしか存在しないためである。しかし、集団がグループに分割された自然な構造の中では、そのような稀な友好的ライバルが進化の結果現れ、通常協力が進化しないくらい協力の利益が小さい場合にすらほぼ完全な協力が達成されることが明らかになった。この結果は集団の構造が協力の進化に重要な役割を果たしていることを示している。この内容は論文として発表され、学会での発表も精力的に行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究で目標としていた2件について研究を行い、それぞれ論文として発表することができた。 これらに加えて、国際共同研究強化Aの研究にも採択され、間接互恵についての研究も進展させることができている。
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今後の研究の推進方策 |
これらの二つの研究目標に加えて、間接互恵についての研究にも着手する。特に本研究で集団に構造がある場合の進化について、間接互恵でどうなるか検証する。 また、これまで得られた研究成果を国内外の学会で発表し、周知に努める。
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