研究課題/領域番号 |
21K03363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
宮島 信也 岩手大学, 理工学部, 教授 (20367072)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 精度保証付き数値計算 / 非整数階微分方程式 / 行列関数 / Mittag-Leffler関数 |
研究開始時の研究の概要 |
計算機を用いた数値計算では,その計算は正確には行われない.四則演算の結果はその都度有限桁に近似され,極限を含む無限演算は全て有限演算に近似される.計算結果から正しい結論を得るためには,計算結果の誤差評価を行って,厳密解の存在範囲を確定する必要がある.これを行う方法が精度保証付き数値計算法である.本研究では,非整数階微分方程式系の解に対する精度保証付き数値計算法を確立する.
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研究実績の概要 |
理工学においては,現象を理解するために数理モデルが作られ,これらのモデルを解くことによって,未知の現象の予測や新たな工学的製品の設計等が可能となる.これらのモデルは解析的な手法で解くことが困難であるため,計算機を用いた数値計算により解かれることが多い.
計算機を用いた数値計算では,その計算は正確には行われない.四則演算の結果はその都度有限桁に近似され,極限を含む無限演算は全て有限演算に近似される.これにより, 本来の解とは異なる結果が得られることがある.時として,桁も符号も異なった解が算出されることもある.計算結果から正しい結論を得るためには,計算結果の誤差評価を行って,厳密解の存在範囲を確定する(厳密解を包含する区間を求める)必要がある.これを行う方法が精度保証付き数値計算法であり,従来の数値計算の枠組みでは近似解を求める道具であった計算機を用いて厳密解をも捉えることを可能にする.
令和5年度には,クロネッカー構造をもつ大規模行列の実数乗とベクトルとの積に対する精度保証付き数値計法を確立した.この構造をもった行列の実数乗とベクトルとの積は,例えば非整数階偏微分方程式の解を数値的に求める際に必要となる.さらに,確立した手法が既存の手法を流用したアプローチよりも非常に高速であることを例示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の目標であった線形非整数階常微分方程式系の解に対する精度保証付き数値計算法の構築が完了し,非整数階偏微分方程式への応用を見据えた精度保証付き数値計算法を提案することもできたため.
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今後の研究の推進方策 |
既約非負テンソルの固有値問題のもつ数学的性質を新たに解明し,さらにこの問題の解に対する新たな精度保証付き数値計算法を構築する.
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