研究課題/領域番号 |
21K03371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 京都女子大学 (2023) 島根大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
山田 隆行 京都女子大学, データサイエンス学部, 教授 (60510956)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 高次元データ / 極限理論 / 変数選択 / 漸近分布 / 統計的仮説検定 / 統計的推論 / (n,p)漸近理論 / 多変量解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 高次元データの統計的多変量解析に関わる統計量の確率分布の漸近展開表示を与え, それに用いて推測法の精度の補正法の提案することを目的とする. 併せてリサンプリングによる推測論の開発, およびその精度の理論研究に取り組む. 数値実験によって検証し, さらに実データへの応用に取り組む.
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研究実績の概要 |
今年度は研究課題の関連研究として, 次に述べるKOO原理に基づく変数選択法について成果が出たのでそちらを公表することに注力した. KOOの原理による変数選択法とは, 着目している変数の選択・非選択を, 各変数について,その変数を除いたモデルの下で算出した変数選択基準量と全変数の下で算出した変数選択基準量に基づいて選択・非選択を決める方法である. 非ゼロな偏相関係数の選択問題について, 選択したモデルが真に非ゼロな偏相関係数であるモデルと一致する確率が変数の数と標本サイズを共に大きくしていったときに1に収束するという高次元漸近枠組みでの一致性を示した. 以下この一致性を示した2種類の基準について記述する. まず, 情報量基準の代わりとして距離に基づく基準(DIC)と相関係数のFisher z 変換を行ったものを基に距離を求めた基準(ZIC)を提案し, 共にKOO法による選択が一致性が成り立つことを示した. 以上をカナダのオタワで開催された 64th ISI World Statistical Congress のポスターセッションにて発表している. 次に, BIC(Baysian information criterion)基準に対してKOO法を用いた場合に, 選択したモデルが真に非ゼロな偏相関係数であるモデルと一致する確率が変数の数と標本サイズを共に大きくしていったときに1に収束するという高次元漸近枠組みでの一致性を示した. また, BIC基準のペナルティー項である標本サイズの対数を補正することでより緩い条件で上記の一致性を示すことにも成功している. 数値実験にて後者の選択法が真のモデルを選択する精度について優れることを確認した. 以上の結果オーストラリアのシドニーで開催されたIASC-ARS2023にて発表し, 現在論文にまとめて投稿中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題である高次元漸近枠組みでの分布の漸近展開については導出する意義があると考えるケースについては昨年度までに成果は報告している. 他の場合にも応用できるか検討する中で関連研究の変数選択法についての研究のアイディアが得られた.そのため本来の漸近展開の成果を出すのが滞っている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題である高次元漸近枠組みでの分布の漸近展開については導出する意義があると考えるケースについては昨年度までに成果は報告している. 他の場合にも応用できるか検討する中で関連研究の変数選択法についての研究のアイディアが得られた.次年度は漸近展開のアイディアを変数選択に反映させて研究を推進させたい.
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