研究課題/領域番号 |
21K03372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 愛媛大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
土屋 卓也 大阪大学, 数理・データ科学教育研究センター, 招へい研究員 (00163832)
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研究分担者 |
小林 健太 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (60432902)
柏原 崇人 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (80771477)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 有限要素法 / 誤差評価 / 形状正則性 / 異方的メッシュ / 不連続Galerkin法 / 誤差解析 |
研究開始時の研究の概要 |
数値シミュレーションの現場でよく用いられる有限要素法では、シミュレーションが行われる領域(微分方程式が定義されている領域)を、「要素」と呼ばれる図形で充填する必要がある。領域を要素で充填した図形を、「メッシュ」と呼ぶ。メッシュを構成するさい、メッシュ内の要素の幾何学的形状に「要素はあまり"潰れてはいない"」という条件を課す場合が多い。この研究の目的は、"潰れた"要素を含むメッシュを用いた場合、有限要素法により得られる数値解にどのような影響が出るかを調べ、潰れた要素を含むメッシュでも精度が落ちないような有限要素法のスキームの開発することである。
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研究実績の概要 |
有限要素法の実行の際に、偏微分方程式が定義されている領域を要素と呼ばれる図形で充填する必要がある。この操作を、領域の三角形分割、あるいはメッシュ (mesh) と呼ぶ。要素としては多くの場合、2次元領域では三角形、3次元領域では四面体が用いられる。有限要素法の特徴である数値解の厳密な誤差評価のために、三角形、あるいは四面体の形状に「形状正則性条件」(shape regularity condition) と呼ばれる条件が科されることが多い。形状正則性条件は、用いる要素があまり潰れていなく「ふっくら」していることを要求する。しかし、さまざま理由により、メッシュ内に潰れた要素が発生することがあり、その場合には有限要素法で得られた数値解の妥当性は、数学的には保証されないことになる。 そのような状況に対し2023年度で本研究では、メッシュ内に潰れた要素が存在しても、潰れた要素が良い三角形(2次元)あるいは良い四面体(3次元)により、「仮想的に」覆われていれば、そのメッシュを用いた有限要素法の解の精度は劣化しないことを厳密に示した。また、数値実験によりその結果を確認した。この結果を論文にして投稿中である。 さらに、本研究の発端となったいわゆる「Kobayashiの公式」については、論文がいまだに発表されていない状況である。そのため、研究分担者の一橋大学小林健太教授とともに、Kobayashiの公式の証明の細部の検討を始めた。なるべく早く(2024年夏頃までに?)論文にまとめて投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に得られた結果は以下のとおり。メッシュ内に潰れた要素があったとしても、潰れた要素が「良い要素」で「仮想的にカバーされていれば」、得られた有限要素解の精度は劣化しないことを、厳密に証明した。この結果を、 Kobayashi,Tsuchiya, "Error esitimation for finite element solutions on meshes that contain thin elements" にまとめ、学術雑誌に投稿した。また、arXivにもアップロードした(arXiv:2402,18860)。 また、「Kobayashiの公式」の証明の細部の検討を始めた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度(2024年度)は、以下のことを目標にする。 (1) 一連の研究のもとになったいわゆる「Kobayashiの公式」を再検討し、論文にまとめ投稿する。 (2) Stokes方程式に対していわゆるinf-sup条件が、潰れたメッシュ上でも成り立つかどうかを詳しく検討する。まずCrouziex ~Raviart要素を用いた場合に調べる。 (3) 通常、有限要素法で使われるメッシュは適合的なものである。つまり、メッシュ上にはハンギングノードは存在しない。今年度では、ハンギングノードを含むメッシュ上での不連続がレルキン法の誤差解析を進める。
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