研究課題/領域番号 |
21K03376
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
吉野 隆 東洋大学, 理工学部, 教授 (60269496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 数理プランクトン学 / 計算幾何学 / 放散虫 / 有孔虫 / 円石藻 / 離散微分幾何学 |
研究開始時の研究の概要 |
次の3テーマに取り組む.A)放散虫の進化過程における骨格構造の最適化過程,B)円石藻の円石被覆における円石形状・配置の最適化,C)有孔虫の骨格構造と姿勢制御の関係.これらのテーマに基づいて,海洋プランクトンの化石を用いた地球史の解明に利用可能な計算幾何学ツールの開発と適用を行う.海洋プランクトンの化石は地球環境の歴史を追える重要なツールであるため,本研究課題の推進は地球史の精密な解明に寄与する.本研究課題を遂行することによって,(1)地球の歴史を海洋プランクトンの骨格構造の幾何学という立場から構築し,地球史を解明するための新しいツールを提供し,(2)応用数理の研究者の本学術分野への参入を促す.
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研究実績の概要 |
放散虫 Pantanellium 属の3Dデータ59個体分について骨格構造を解析してその結果を平面グラフで表現した.これによりそれぞれの個体がもつ幾何学的な構造を厳密に比較することが可能になった.その結果,厳密に比較してしまうと多くの個体が「異なる構造」となってしまうことがわかった.これは本研究課題で取り組んでいる幾何学的な解析に意味がないことを示しているのではなく,精度が十分に高い方法であることを意味している.この成果を 16th meeting of InterRad において "Geometrical Variations of Skeletal Structures of Genus Pantanellium" という題目で発表した.現在は論文を執筆中である.次の課題として良すぎた精度をどのように粗くするかが浮上したので,それについて検討した.具体的には2次元画像から3次元的な特徴を推定する試みを行った.上記の3次元データを2次元画像にして,この画像から殻孔数を推定する方法を開発・検討した.これについては,「北西太平洋ルネッサンス掘削ワークショップ」において "Micro-CT technology and morphological analysis of radiolarian skeletons" というタイトルで講演した. 一方,もう一つの研究対象である有孔虫の骨格構造モデルについては数値計算を行う上で重要な進展があった.具体的に述べると,水中での姿勢を計算する上で困難だった重複部分を計算で取り除く方法を発見した.この方法によってこれまで困難だった水中での姿勢が数値的に求められるようになった.現在は新しい方法に基づく数値計算を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた数理モデルの構築はできつつあり上にも記したとおり数値計算の結果が出始めている.しかし,プログラム開発および計算結果のまとめに計画時よりも多くの時間がかかってしまっている.そのため,進捗状況を「やや遅れている」とした. 放散虫については予定していた作業に加えて上記で述べた新しい検討も行ったことが遅れの原因に挙げられる.しかし,方法自体は洗練されてきているので論文にするところまであと一歩だと考えている.また,有孔虫については数値計算法の改良方法をなかなか思いつかなかったことが挙げられる.いずれの理由についても困難だった部分は解決されている. 論文執筆の遅れについても説明の必要があると考えている.直接の原因は上で述べたようにプログラム開発の遅れであるが,計算結果をより良く説明するためにどのような方法を取るべきかについても紆余曲折があった.何度も図を描き直す状況がかなり長い期間あったことを記しておきたい.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果の公表を第一の目的とする.そのために執筆の時間確保を優先課題としたい.それ以外については以下のように検討を予定している. 放散虫についてはPantanellium を離れて別の属について同様な解析が可能かの検討を予定している.以前に論文に書いたDidymocystis属やその他の属について今回の手法または修正した方法を適用することを検討する. 有孔虫は,現在球面を平面で切断した形(球帽)で行っているモデリングを回転楕円体を平面で切断した形に拡張することを検討している.基本的な式(例えば重心を求める式など)がまったくないので基本的な部分から検討を行う予定である.
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