研究課題/領域番号 |
21K03377
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
横山 和弘 立教大学, 理学部, 名誉教授 (30333454)
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研究分担者 |
野呂 正行 立教大学, 理学部, 教授 (50332755)
篠原 直行 国立研究開発法人情報通信研究機構, サイバーセキュリティ研究所, 室長 (70565986)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 計算機代数 / 数理情報科学 / グレブナー基底 / 多項式イデアル / 計算量解析 |
研究開始時の研究の概要 |
多項式イデアルの良い性質を持つ基底であり純粋数学から工学応用等幅広い応用を持つグレブナー基底の効率的計算法として注目を浴びているSBAについて、その優位性を理論的に解明する。さらに、優位性を発揮する高速計算の実現のための実装法の研究を行う。また、実装法の有効性を検証するために応用研究を設定し、そこでは公開鍵暗号の安全性評価に使われている代数方程式の求解を扱う。研究は、理論解析と実装法、そして応用計算での検証という3つのテーマを並行して行う。
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研究成果の概要 |
計算量理論解析においては、基本的かつ暗号等に現れるイデアルの生成系がアフィン半正則になる場合に既存の計算量解析の検証を行い、その改良およびSBAの観点よるグレブナー基底計算過程の正確な記述に成功した。 SBAアルゴリズム実装の改良においては、ヒルベルト関数値を利用した基底変換の効率化、S多項式やreducerのベクトル化を用いた簡約操作の効率化などに成功し、F4アルゴリズム実装のマルチスレッド化なども行なった。 グレブナー基底計算の応用では、多変数公開鍵暗号の安全性の基礎となるMQ問題解法、楕円曲線の同種写像問題解法、実験計画法における実施計画の決定などに適用した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グレブナー基底は、代数学に留まらずに様々な分野に応用されているが、一般には計算量が大きく、大規模な問題等には有効には適用できないこともあり、その計算の効率化が強く求められている。この効率化の基盤として、正確な計算量の解析が不可欠であり、同時に効率的な実装による検証も重要である。また、効率的な実装では、工学等の実際の問題への適用事例研究が適している。本研究では、この3課題を同時並行に行い、それぞれに関して独自かつ有効な結果が得られたことは、今後のグレブナー基底計算の応用を含めた発展に貢献できたものと考える。
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