研究課題/領域番号 |
21K03379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 金沢大学 (2023) 北海道大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
勝野 弘康 金沢大学, 学術メディア創成センター, 准教授 (70377927)
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研究分担者 |
上羽 牧夫 愛知工業大学, 工学部, 教授 (30183213)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 結晶相転換 / 微小クラスタ反応 / 結晶サイズ分布 / 準安定相 / 結晶粉砕 / 温度変調 / 温度昇降 / カイラル結晶 / 相転換 / ヴィエドマ熟成 / 非線形過程 / 結晶成長 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 周期的な温度変化による結晶多形制御の可能性を理論的に追求する. 通常の結晶育成法では, 準安定相結晶を生成できても, 安定相結晶が生成されたとたんに準安定相結晶は消失する. そこで, 周期的な温度変化を与えた溶液成長を想定して, 安定相結晶を準安定相結晶へと変換する過程を追及する. 相転換に有利な温度などのパラメータを特定することで実験の実現可能性についても検討する.
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研究成果の概要 |
結晶多形など複数の結晶構造を持つ物質の結晶を標準的な方法で作製すると,最安定構造の結晶が形成される.本研究では,簡単な操作で最安定構造の結晶を準安定構造の結晶へと変換する方法を検討した.具体的には,溶液の中での結晶成長を想定して,最安定構造の結晶と準安定構造の粉末結晶を溶液中に分散させて,結晶粉砕するもしくは溶液温度を昇降する方法である.通常無視されるような微小クラスタの合体過程を考慮することで,一見すると熱力学に反するような結果も得ることが可能になることを理論的に示し,その転換の仕組みについても明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまでカイラル結晶の転換として注目を集めていた現象を結晶一般に拡張し,エネルギー差のある2つの相の競合として捉えなおしている.安定相がエネルギー不利な準安定相へと転換されうるという非直感的な結果を理論的に示すことができた. 高機能材料は準安定構造をとるものも多く,その作りわけは成長過程を精密に制御する方法が取られている.この方法を使えば簡単な操作で一度できた不要な構造の結晶であっても目的とする構造へと変換が可能である.特に変換率が100%であるため,無駄がなく資源を効率的に使うことができる.
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