研究課題/領域番号 |
21K03382
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 明治学院大学 (2022-2023) 東京工業大学 (2021) |
研究代表者 |
吉田 豊 明治学院大学, 法学部, 講師 (90716705)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 超対称ゲージ理論 / 頂点作用素 / 壁越え / 超幾何級数 / 量子K理論 / 量子可積分系 / 壁越え現象 / 超対称局所化 / クーロンブランチ / 超対称場の量子論 / ゲージ理論 |
研究開始時の研究の概要 |
超対称局所化は超対称場の量子論の経路積分を厳密に実行する強力な手法である。超対称局所化をより多くの理論において定式化し相関関数や分配関数を決定する。そして局所化よって得られた相関関数や分配関数の表式をもとに超対称場の量子論の背後に存在する幾何学的性質や可積分構造を明らかにし、ゲージ理論、幾何学、量子可積分模型の間の新たな対応を確立する。
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研究実績の概要 |
境界付き3次元超対称ゲージ理論に付随する頂点作用素代数の研究、および3次元超対称ゲージ理論におけるボーテックス分配函数の壁越え公式と超幾何級数の関係 の研究を行なった。 境界付き3次元超対称ゲージ理論に付随する頂点作用素代数の研究について:Costello-Gaiottoによって3次元超対称ゲージ理論のデータからBRSTコホモロジーを用いて境界に現れる頂点作用素代数を構成する方法が知られている。しかし一般に生成元を決定したり、得られた頂点作用素代数がどのような既存の代数と同型になるかを調べることは容易ではない。そこでゲージ群がU(1)からなるA型のクイーバーゲージ理論に注目して、付随する頂点作用素の構造を研究した。まずクイーバーゲージ理論に付随する頂点作用素代数がKuwabaraが構成した頂点作用素代数を部分代数として含むことを発見しW代数を部分代数として含むことを示した。さらにBRSTコホモロジーの元を具体的に計算することにより生成元を予想し、超対称指数との整合性やOPEが閉じることから生成元になっている証拠を提示した。 3次元超対称ゲージ理論におけるボーテックス分配函数の壁越え公式と超幾何級数の関係の研究について:Chiung Hwang、Piljin Yiとの共同研究で導出された3次元超対称ゲージ理論におけるボーテックス分配函数の壁越え公式とq超幾何級数の変換公式の関係を調べた。3次元N=2超対称ゲージ理論の場合はKajiharaによって得られたq超幾何級数の変換公式と一致することを示し、3次元N=4超対称ゲージ理論の場合はHallnas-Langmann-Noumi-Rosengrenによる変換公式の三角型への簡約と一致することを示した。またボーテックス分配函数はA1型のハンドソー箙多様体の指数と関係していることがよく知られているため、今回の結果はハンドソー箙多様体の指数の壁越え公式がq超幾何級数の変換公式と関係していると解釈も与えていることを指摘した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予想していた結果を実際に導出することが出来たため、概ね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
境界付き3次元超対称ゲージ理論に付随する頂点作用素代数の研究についてはゲージ群がU(1)以外の場合に同様の解析を進めて頂点作用素代数 を決定する。
3次元超対称ゲージ理論におけるボーテックス分配函数の壁越え公式については、壁越え公式は線形クイーバーゲージ理論に拡張できる。そのため対応するq超幾何級数の変換公式がどのようなものに拡張されるかの研究を行う。
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