研究課題/領域番号 |
21K03386
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
山下 智樹 長岡技術科学大学, 産学融合トップランナー養成センター, 特任准教授 (60793099)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 結晶構造探索 / 機械学習 / 第一原理計算 / CrySPY / LAQA / マテリアルズインフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
新材料設計の基盤ツールとして期待される結晶構造探索ツールのCrySPYは、機械学習による選択型アルゴリズムを利用することで、高効率な安定構造探索が実行可能である。選択型アルゴリズムのLAQAは従来手法と比較して計算量を50%から90%ほど削減可能であるが、構造データセットによっては効率よく探索を実行できない場合があることがわかっている。本研究において、応力テンソルの項を新たに導入したスコア関数を開発することでこの問題を解決し、LAQAの探索効率を向上させる。また、オープンソースのソフトと組み合わせられるようにCrySPYのコード開発を行い、誰でも容易に導入できる構造探索ツールを開発する。
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研究成果の概要 |
結晶構造探索手法のLAQAでは、第一原理計算や経験的原子間ポテンシャルを用いた計算から得られるエネルギーおよび原子に働く力を用いることにより、最終的にエネルギーがより低くなりそうな構造候補を選択して優先的に最適化することで、不要な最適化計算を行うことなく効率的に安定構造が探索可能となる。本研究課題では、応力テンソルを新たにスコアに取り入れることで計算コストを大幅に削減できる手法を開発した。開発したプログラムは結晶構造探索ソフトのCrySPYに組みこみ、GitHubおよびPyPIに公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で改良されたソフトウェアであるCrySPYはPyPIにおいて現在まで8000以上のダウンロードがあり、月に600から700回ほどインストールされている計算になる。結晶構造探索ツールは、近年の計算機能力の飛躍的向上にともない、新材料設計においてなくてはならないツールになりつつある。また将来の発展に目を向けると、CrySPYは機械学習ポテンシャルと組み合わせて、アクティブラーニングを採用することで計算の高速化が期待できる。すでにその研究も開始しており、そこではLAQAの考え方を用いたスコア方式を採用している。本研究課題の成果がベースとなって、今後のこの分野の発展が見込まれる。
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