研究課題/領域番号 |
21K03417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
森下 亨 電気通信大学, 量子科学研究センター, 教授 (20313405)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ボルテックス電子 / アト秒 / 再衝突 / らせん波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高強度レーザーによって生成されるらせん状の波面を持ったボルテックス電子を利用した新しい分子のイメージングの理論を確立することを目指す。強レーザー場中での配向分子のトンネルイオン化による極短ボルテックス電子ビームの生成と、レーザー電場の位相の変化に伴う電子の再衝突過程を利用した分子構造のプローブを考える。これまでに培われた平面波電子を用いた予備的研究を発展させ、ボルテックス電子についての理論体系を構築する。
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研究実績の概要 |
1)昨年度に引き続き、レーザー場の時間変化に比べて分子内電子の運動が十分に遅いという事実に基づく解析理論により、ボルテックス電子の再衝突過程について考察した。直線偏光に対する前方散乱の成分についての分析を進めた。 2)時間依存シュレーディンガー方程式の数値計算コードの拡張と高速化を進めた。原子標的について、直線および楕円偏光パルスによるボルテックス電子の生成・再衝突に対応する計算コードを高速化し、様々なパラメターに対して計算を実行して分析を行うことができるようになった。新しい計算コードによって原子のイオン化について計算を実行し分析した。 3)再衝突過程に対する光電子運動量スペクトルからの分子標的構造の抽出に関するアルゴリズムについて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
精密計算コードの高速化を行い、さまざまなパラメータについて磁気量子数が非ゼロのボルテックス電子状態を含む計算が高精度で実行できるようになった。理論、精密計算、構造解析についての準備を進めた。また、楕円偏光レーザーパルスに対する再衝突過程についての研究など、関連する高強度レーザー場中の原子・分子ダイナミクスの研究を行い、得られた結果を学術論文として発表した。以上によりおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き以下のように研究を推進する。 1)解析理論について、直線偏光のものをもとに楕円偏光のものに拡張する。 2)時間依存シュレーディンガー方程式の数値計算コードの拡張と高速化を進める。 3)再衝突過程に対する光電子運動量スペクトルからの分子標的構造の抽出に関するアルゴリズムの開発を進める。
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