研究課題/領域番号 |
21K03424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
只野 央将 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 磁性・スピントロニクス材料研究センター, 主任研究員 (90760653)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 非調和効果 / フォノン / 構造相転移 / 第一原理計算 / 熱伝導率 / 光学特性 / 密度汎関数法 / 誘電率 / 高次フォノン散乱 / フォノン計算 / ペロブスカイト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、格子振動の非調和性を従来法よりも精密に取り込める先進フォノン計算手法を新たに開発し、それを用いてハライドペロブスカイトおよび酸化物ペロブスカイトの熱伝導・構造相転移温度、バンドギャップの温度変化などの熱・光学物性を非経験的かつ高精度に予測することを目指す。また、これらのペロブスカイトで見られる特異な熱・光学物性の起源を第一原理的に解明する。本課題を通して、ペロブスカイト型構造だけでなく任意の非調和な系へ適用可能な熱・光学物性予測のスキームを確立し、従来の第一原理計算手法の限界を突破する。
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研究成果の概要 |
格子振動の非調和性が強い材料系においても利用出来るフォノン計算・有限温度構造最適化手法を開発した。従来の自己無撞着フォノン(SCP)法で無視されていた3フォノン散乱に由来する振動数シフトを準粒子近似の元で取り入れる手法を提案し、ペロブスカイト材料の非調和フォノン振動数を高精度に予測することに成功した。また、フォノン線幅や熱伝導率における4フォノ散乱の影響を明らかにした。さらに、準調和近似とSCP法に基づく有限温度構造最適化手法を開発し、ZnOやBaTiO3の構造相転移や熱膨張を高精度で予測することに成功した。これらの応用研究から、開発した手法の有効性と汎用性を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した非調和フォノン計算・結晶構造最適化手法はペロブスカイト型材料に限らず多様な材料系へ適用可能であり、これまで困難だった有限温度物性計算への道を拓くものである。今後は太陽電池材料や光学デバイス、熱電変換材料への適用が進み、持続可能な社会構築に資する研究成果に繋がることが期待される。
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