研究課題/領域番号 |
21K03431
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
浅香 透 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80525973)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | フェイゾン / 変調構造 / 電荷秩序 / 希土類鉄酸化物 / 透過型電子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
フェイゾンは変調構造のような非周期結晶に特有の励起現象であるが、本研究では変調構造をもつ希土類鉄酸化物におけるフェイゾンの起因と励起機構を原子分解能透過型電子顕微鏡で実空間観察することにより明らかにする。本研究で対象とする希土類鉄酸化物のように電荷秩序をもった系においてはフェイゾンと電荷秩序が結合する可能性があり、この点に着目しながら研究を進める。さらにナノスケールで制御したプローブを電極として電場印加を行い、その場観察により電場誘起フェイゾンの発生を調べる。加えて、フェイゾン発生時の電気的性質をその場計測により調べ、外場誘起フェイゾンの発生機構と特徴を理解する。
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研究実績の概要 |
電荷秩序をもった希土類鉄酸化物の電子線誘起フェイゾンを主に走査透過型電子顕微鏡法(STEM)を用いた実空間観察により理解し、その起因と励起機構を明らかにすることを目的として研究を行った。さらにフェイゾンを介した物性制御の可能性を探求するために電子顕微鏡によるその場計測・観察を行った。 Yb2Fe3O4の良質な単結晶試料を酸素分圧を制御した浮遊帯域溶融法により合成し、得られた試料に対して、高速STEM観察によるフェイゾンの観測を行った。また、同時に電子エネルギー損失分光測定を行うことにより、電荷秩序状態のフェイゾンへの影響ついて情報を得た。また、収束電子線回折(CBED)法においてもフェイゾンによるものと考えられる動的挙動を確認した。これは高い時間分解能でフェイゾンに関する定量的データを取得することができる可能性を示唆している。 Yb2Fe3O4の電子線誘起フェイゾンの基準となる変調構造について、詳細な構造解析を行った。加えて、変調構造と組成の不定比性の関係について電子回折法を用いて調べた結果、特に酸素欠損については変調構造の発達を阻害することが分かった。 Yb2Fe3O7の関連化合物であるYbFe2O4について、電子線誘起フェイゾンを観測することができた。我々が用いたYbFe2O4は平均的には非極性構造をもつと考えられたが、フェイゾン発生時、局所的に分極構造が形成された。 電子線誘起フェイゾンを介した構造制御を電子線照射下で電場印加により試みた。FIB加工により試料を作製、STMプローブを電極に用いた特殊ホルダーにより、電場印加そのば高分解能TEM像の観察およびIVカーブの同時測定に成功した。しかしながら、試料と電極プローブとの接触抵抗と、電場による電荷秩序融解時の過剰電流による試料破壊が問題となり、構造制御には試料作製や電気回路について対策が必要であることが分かった。
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