研究課題/領域番号 |
21K03439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
深澤 英人 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (90361443)
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研究分担者 |
大濱 哲夫 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80345008)
川股 隆行 東京電機大学, システム デザイン 工学部, 教授 (00431601)
杉本 高大 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (70756072)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 擬ギャップ / 高温超伝導 / 核磁気共鳴 / 超伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては、様々なドープ量の電子ドープ型高温超伝導体に対してNMRを適用し、擬ギャップ現象がどのようなドープ域で現れるのかを明らかにし、正常状態において観測される反強磁性相関とどのような関係にあるかについて解明することを主な目的とする。また、電子状態を理論計算することにより、電子ドープ型における擬ギャップ現象の起源について検証する。具体的には、常伝導・超常伝導状態における核スピン・格子緩和率測定およびナイトシフト測定を行なうことにより、擬ギャップ温度や反強磁性相関の強さ、超伝導対称性の同定を行なう。
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研究実績の概要 |
銅酸化物高温超伝導体はその発見以来、母物質である反強磁性モット絶縁体にキャリアを注入することにより超伝導が発現すると考えられてきた。しかし、近年Nd2CuO4構造いわゆるT’構造をもつ電子ドープ型高温超伝導体において、過剰酸素を取除くことにより、電子をドープしなくても超伝導が発現する可能性が示された。しかし、一方で実験的に示されてきたこのノンドープ超伝導は、実は酸素がCuO2面から取り除かれ電子ドープが起こっており、その超伝導は従来通りのドープされたモット絶縁体としての高温超伝導であるとも、最近の研究では指摘されている。また、これまでにT'型の銅酸化物高温超伝導体においても擬ギャップ現象が本質的に存在することが明らかになってきており、この擬ギャップの起源を探ることが本研究課題の重要な目標である。さらに、擬ギャップ現象と関連して強相関電子系における量子臨界現象と磁性について研究することも重要であり、本年度も周辺物質に関しても研究を行なった。 銅酸化物に関しては、T’-Pr1.3-xLa0.7CexCuO4について、アニールの仕方を変えた試料に注目し、系統的に63,65Cu核、139La核のNMR測定を行ない、超伝導対称性および反強磁性ゆらぎの有無・強さを明らかにした。結果として、アニールの効果が、Ceの置換量に依存することが明確になった。具体的には、Ce量が増えるほど、アニールにより除去される酸素量が増えることがわかった。 さらに、単体金属であるalpha-Mnの圧力誘起磁気秩序相におけるゼロ磁場NMRについて、この物質の量子臨界点(約4.5 GPa)が厳密には一次相転移であることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が当初の最終年度を越したのは遅れたと言わざるを得ない。本研究課題で目標とする電子ドープ型銅酸化物高温超伝導体の本質的な基底状態を明らかにするための試料作製に若干遅れが生じたためである。その中でも、PLCCOのアニール効果にやalpha-Mnの圧力誘起磁気秩序相の消失点について明らかにすることができたことは、充分な成果であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
T'-La1.8-xEu0.2(Sr,Ca)0.2CuO4の試料を受け取り次第、すぐにでもNMR測定を開始できる。これについて確実に行ない、考察を行なう。 重い電子系超伝導体Ce3PtIn111については、希釈冷凍機温度において超伝導状態の研究を引き続き目指す。 単体金属alpha-Mnについては、常圧でのスペクトルの温度変化から詳細な磁気構造の解明を目指す。
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