研究課題/領域番号 |
21K03448
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
野原 実 広島大学, 先進理工系科学研究科(先), 教授 (70272531)
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研究分担者 |
菅原 仁 神戸大学, 理学研究科, 教授 (60264587)
播磨 尚朝 神戸大学, 理学研究科, 教授 (50211496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | J=3/2フェルミオン / フェルミ面 / スピン軌道相互作用 / 量子振動 / 軌道交差 / j=3/2フェルミオン |
研究開始時の研究の概要 |
電子はスピン角運動量s=1/2を持つフェルミ粒子である。結晶中で伝導する時も、電子はスピン角運動量s=1/2を保持する。ところが最近、相対論的効果が顕著に現れる重い金属元素を含む結晶中において、より高次の角運動量j=3/2を保持する電子の存在が予言された。本研究は、磁場に対する応答がs=1/2とj=3/2の状態で異なること、すなわち高磁場中で現れる量子振動の違いを実験的に観測することで、伝導するj=3/2フェルミ粒子の存在を実証することを目指している。
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研究成果の概要 |
ハーフホイスラー合金における磁化の量子振動ド・ハース-ファン・アルフェン (dHvA) 効果を世界に先駆けて観測した。LuPtBi, YPtBi, LuPdBi, ScPdBiの単結晶を育成し、このなかのLuPtBiにおける成果である。サイクロトロン有効質量は m* = 0.05~0.09m0であった。第一原理計算との比較から、この量子振動が小さなフェルミ面(電子ポケット)に由来することが明らかになった。さらにLuPtBiとLuPdBiにおいて超伝導を観測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常の金属はスピン角運動量 s = 1/2 を有する電子が電気伝導を担っている。ところが、LuPtBi などのハーフホイスラー合金においては、Bi の強いスピン軌道相互作用に起因して、全角運動量 j = 3/2 のフェルミオンが電気伝導を担うと考えられている。本研究は、この伝導する j = 3/2 フェルミオンの実験的検出につながる第一歩である。さらに従来の s = 1/2 電子のクーパー対形成による超伝導ではなく、j = 3/2 フェルミオンが対形成したエキゾチック超伝導の実現にもつながる。
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