研究課題/領域番号 |
21K03452
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
後藤 貴行 上智大学, 理工学部, 教授 (90215492)
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研究分担者 |
橋本 剛 上智大学, 理工学部, 教授 (20333049)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖分子センサー / スピン拡散 / μSR / NMR / 金微粒子 / 糖センサー / 超微粒子 / 一次元 |
研究開始時の研究の概要 |
ナノサイズ金微粒子表面にボロン酸分子(糖認識部位)とルテニウム錯体(電気化学部位)をアルキル鎖で結合させた糖分子認識センサーは,糖検出感度の圧倒的高さで注目されているがその微視的機構は不明である。ボロン酸からアルキル一次元鎖を経由してルテニウム錯体まで,いかに電子状態が伝達されるか,金ナノ粒子の電子状態が糖検出にどのようにかかわっているかを解明することは,センサー開発の応用面からも重要である。 本研究ではアルキル鎖上の低次元スピン拡散と,金属ナノ粒子の電子状態の検出を,NMRとμSRを用いて行うことで糖分子の糖検出機構解明を行うとともに,コンポジット磁性体としての新奇な磁性の探索に臨む。
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研究実績の概要 |
ナノサイズの金微粒子表面に、ボロン酸分子とルテニウム錯体を修飾した糖分子認識センサーは、ATPやバクテリアなど幅広い対象に適用できることからデバイス化が期待されている。本研究のゴールは、糖認識部位のボロン酸分子の電子状態が、センサーを構築する各パーツ間の界面を経て電極まで伝達される、その微視的機構を明らかにすることである。本年度の研究内容は以下の二つであった。 1.デバイスの基礎物性測定による微粒子上の分子密度最適解を探索する 2.金ナノ粒子と金属錯体を結ぶ一次元鎖上の電子伝達チャネルの性質をμSR(英国、鎖昨年)及びNMRで調べる その結果、1.については、昨年行ったB-NMR信号の結果がアーチファクトであることが明らかになり、他の手法を模索した結果、1H-NMRスペクトルを、ボロン酸付近とルテニウム錯体付近からの信号として、サイト分離を行うことにより、それぞれの線幅の温度依存性の解析結果から、分子間距離を求められることが分かり、偶然にも同様の結果となった。 また、2.については、昨年の結果を国際学会で発表し、さらに論文を投稿した。さらに、μSRの結果について、ミュオン照射に伴ってミュオニウムが形成されている可能性があるため、それを取り入れた解析を検討しており、それが上手く行けば、ミュオンサイトの超微細結合定数が求まるため、NMRと縦磁場μSR二つの手法から求めたゆらぎスペクトルが、周波数軸上で繋がるかどうか確認出来るようになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二つの主要手法であった、NMRとμSRの実験を敢行し、学会発表と論文投稿を行うことが出来た。また、上記にある通り、分子間距離の測定についても、別手法を検討してやり直した結果、同様な結果を得た。 以上により、おおむね順調に進展、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本センサーの糖認識の判定は、ルテニウム錯体の電気化学応答によって行っている。電気化学は、イオンの価数を変えているため、錯体の磁性が変化している可能性がある。 これを検証するため、電気化学と並行してNMR測定を行う新たな実験を開発、進行中である。
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