研究課題/領域番号 |
21K03460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村川 智 東京大学, 低温科学研究センター, 准教授 (90432004)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 量子液体 / 超流動ヘリウム3 / トポロジカル物質 / マヨラナ状態 / 表面物性 / 量子流体 / マヨナラ状態 |
研究開始時の研究の概要 |
超流動ヘリウム3はトポロジカル超流動体であるのが知られているため、超流動ヘリウム3の表面状態の研究を行うことは非常に興味深い。しかし、超流動ヘリウム3は超低温でしか実現しないことや電荷をもたないため実験は非常に困難である。本研究で超流動ヘリウム3の表面に準粒子を入射させ、超伝導・超流動体の界面に特有の量子アンドレーエフ反射の確率を測定することで表面状態を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は1mK程度の超低温で実現する超流動ヘリウム3の表面状態の性質を明らかにすることを目的としている。その目的のため、測定セルの作成、および核断熱消磁冷凍機の修繕を行い、実験を行った。 測定セルはピンホールが開いている黒体輻射体を回転させる機構を持ち、それにより表面に様々な角度で準粒子を打ち込む構造になっている。このセルを核断熱消磁冷凍機に搭載し、100mK以下の極低温度で動作させたところ、発熱などの問題はなく動作した。また、測定セル内の液体ヘリウムは黒体輻射体の内外ともに0.3mK程度の超低温まで冷却でき、ヒーターを作動させることで内外の温度差を生じさせ、準粒子を発射させることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非従来型超流動・超伝導体の表面状態はさまざまな興味深い現象と関連付けられている。近年、その中でもトポロジカル物質が大きな興味を引いているが、超流動3Heはトポロジカル超流動体であると理論で指摘されている。トポロジカル物質はその境界に特徴的な物性が現れるため、バルクな性質の詳細が明らかである非常にクリーンな超流動3He-B相で表面状態の研究を行うことは理論と比較するうえで非常に優れた試料である。その表面状態は、粒子と反粒子が同一であるマヨラナ状態であるといわれており、本研究によってトポロジカル物質の表面状態の詳細を明らかになることで、応用面の発展も期待できる。
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