研究課題/領域番号 |
21K03474
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
奥田 哲治 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20347082)
|
研究分担者 |
齋藤 智彦 東京理科大学, 理学部第一部応用物理学科, 教授 (30311129)
梶本 亮一 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究主幹 (30391254)
桑原 英樹 上智大学, 理工学部, 教授 (90306986)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 強相関電子系 / チタン酸化物 / 二量体 / コランダム型酸化物 / イルメナイト型酸化物 / 擬ブルッカイト型酸化物 / 還元型チタン酸化物 / 磁気特性 / 輸送特性 |
研究開始時の研究の概要 |
電子相転移近傍の臨界領域においては、電子のスピン・軌道・電荷自由度と格子自由度の揺らぎの臨界増強に起因し、しばしば非自明な量子物性が現れる。そのため、新たな物性探索においては、未知の電子相転移近傍での物性探索は極めて重要な切り口となる。 本研究では、新たな電子相転移を示す物質系として、スピン一重項の二量体(dimer)形成の相関を持つ還元型チタン酸化物に着目し、スピン・軌道自由度と結合したdimer相関の揺らぎを伴う未知の電子相転移を探索し、見出した電子相転移近傍の臨界領域において、新超伝導や優れた熱電特性など知られていない未知物性や巨大物性を見出すことを目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究では、新たな電子相転移や臨界物性の探索を行うために、電荷整列を伴う二量体(dimer)相関を有するMg1-xTi2+xO5、及び、dimer相関を有するMg1-xTi1+xO3に着目し、これらの単結晶育成、基礎物性評価及び、電子構造評価を行った。その結果、(1)Mg1-xTi2+xO5においては、新たな電子伝導相や結晶方位に依存する光誘起相転移を見出した。(2)Mg1-xTi1+xO3においては、幅広い組成域においてdimer相関が堅固に存在することを明らかにし、Ti2O3からMgTiO3に向かい、形成されるdimerがa1g-a1g型からegπ-egπ型に変化することを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質中の電子の内部自由度とそれらと結合する格子の揺らぎが増強される電子相転移近傍の臨界領域は、多彩な量子物性が出現する舞台となる。そのため、未知の電子相転移や臨界物性の探索は、現在でも物性物理学において極めて重要な位置を占める。一方、近年、様々な物質において、(dimerをはじめとする)多量体形成が新たに観測されており、その多量体相関をバックグラウンドとした電子相転移は、まだその全容が明らかにされていない。本課題の研究成果は、一部のTi酸化物で観測される典型的なdimer形成を元素置換により制御し、新たな電子相転移や臨界物性を見出そうとする試みであり、その学術的な意義は高いものである。
|