研究課題/領域番号 |
21K03481
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野口 博司 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00514564)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生物物理 / ソフトマター / 生体膜 / 曲率誘導タンパク質 / シミュレーション / 反応拡散波 |
研究開始時の研究の概要 |
非平衡下で生体膜がとる多様な形状変化、パターン形成について、主に数値シミュレーションを用いて研究する。曲率誘導タンパク質および、その制御因子の膜への吸着、アクチンなどタンパク質繊維の伸長と膜変形のカップリングなどによって、生体内で、生体膜は、非平衡の環境にある。これらの様々な非平衡条件下で、膜の構造やゆらぎがどのように変わるかについて研究する。それにより、生体膜の非平衡現象を多面的に探求し、系統的な理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では理論、シミュレーションを用いて、曲率誘導タンパク質などによる生体膜の構造変化を研究した。 (1)膜曲率とのカップリングによる反応拡散波の変化と膜変形を明らかにした。(2)曲率誘導タンパク質吸着の平均場理論を構築し、吸着による相転移をいくつか見つけるとともに、BARタンパク質の異方的な曲げ弾性、自発曲率を実験との比較により見積った。(3)BAR タンパク質の天然変性領域による膜チューブ形成への影響を明らかにした。(4)曲率誘導タンパク質の膜両側への吸着によって、市松模様状やカゴメ格子状のドメイン構造が形成されることを見つけた。(5)脂質二重膜での超長鎖脂肪酸の構造を調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞内の生命活動における静的や動的な膜構造はタンパク質によって制御されている。これらのタンパク質の欠損は細胞小器官の構造異常や細胞機能不全につながり、その機能を理解することは非常に重要である。しかし、生体内は非平衡状態であり、その制御機構は多くのことがよく理解されていない。本研究では曲率誘導タンパク質がどのように生体膜と相互作用し、反応拡散波など動的構造を制御しているかについて重要な知見を明らかにした。
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