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1細胞計測に基づく細胞モデルとそれに基づく形態形成の理論の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K03482
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
研究機関星薬科大学 (2023)
東京大学 (2021-2022)

研究代表者

山下 雄史  星薬科大学, 薬学部, 准教授 (50615622)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワードシミュレーション / 細胞分化 / 領域形成 / 細胞間相互作用 / 形態形成 / 細胞状態
研究開始時の研究の概要

近年、様々な分子生物学的な実験がおこなわれ、細胞の分子レベルの状態が生体組織レベルの現象に影響を与えていることが分かってきた。しかし、細胞の分子レベルの状態がどのように生体組織レベルの現象(特に、形態形成)を引き起こしているのかというメカニズムは解明されていない。このメカニズムを明らかにするために、本研究では、新しい理論とシミュレーション手法を開発していく。

研究実績の概要

近年、様々な分子生物学的な実験がおこなわれ、細胞の分子レベルの状態が生体組織レベルの現象に影響を与えていることが分かってきた。すでに、単純な反応拡散方程式モデルによって生物が持つ複雑な形態を再現できることが分かり、形態形成の物理学が大きく発展しているが、これだけでは細胞の状態が生体組織レベルの現象を引き起こすメカニズムの解明は難しい。一方で、single-cell RNA-seqのような実験により1細胞情報を計測し、細胞の分子レベルの状態を特徴付けることが可能になってきている。本研究では、細胞の状態と組織形成の関係性を明らかにする新しい理論とシミュレーション手法を開発していくことを目指す。
前年度までに、細胞分化により同じ種類の細胞からなる領域がどのように形成されるかという問題に焦点を当て、細胞シミュレータのプロトタイプを開発した。まず、細胞分化と細胞間相互作用のモデル化をおこない、それを2次元格子モデルに落とし込んだ。ここでは、細胞の移動や増殖を考えず、単純に状態を変え分化に至るようなモデルにしている。
この技術を活用し、今年度は心筋梗塞後の心臓リモデリングを模倣した二次元セルオートマトンモデルを開発した。心筋梗塞は冠動脈の閉塞により生じ、急性期の適切な治療後も慢性心不全へと進行することが一般的で、これに伴う左室のサイズや形態の変化の理解は重要な課題である。このモデルでは、心筋梗塞直後に異なる細胞タイプへの遷移が設定され、細胞間の相互作用がその遷移を促進するかたちで表現された。具体的には、隣接する特定の細胞タイプが存在することによって、特定の細胞遷移が加速されるという仮定のもと、異なるパラメータでシミュレーションを実施した。解析の結果、細胞間相互作用は細胞タイプの遷移だけでなく、特定の細胞タイプの領域形成を促進することが観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

この研究は、分子生物学的手法とコンピュータシミュレーションを統合することによって、細胞の振る舞いと組織レベルでの現象を結びつける理論の開発を目指しています。特に、心筋梗塞後の心臓リモデリングを模擬する二次元セルオートマトンモデルの開発し、細胞間相互作用が細胞の遷移と領域形成に及ぼす影響を明らかにすることができました。このモデルは、細胞レベルの詳細なデータを生体組織のダイナミクスに統合することに成功しており、実験的なデータとの比較からもモデルの妥当性が確認されています。

今後の研究の推進方策

今後の研究では、マルチスケールシミュレーションの開発を進め、細胞レベルの詳細な情報を組織レベルの現象に統合することが重要です。具体的には、single-cell RNA-seqから得られるデータ等を用いて、セルオートマトンモデルをさらに精緻化し、未知のセンサープロテインの探索も含めた網羅的な解析を行うことで、細胞の領域形成の動的メカニズムの全体像を明らかにすることを目指します。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] Properties of the Protein-Protein Interface Revealed by Molecular dynamics Simulations2022

    • 著者名/発表者名
      Takefumi Yamashita
    • 学会等名
      18th International Conference of Computational Methods in Sciences and Engineering (QS symposium of ICCMSE 2022)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Molecular Dynamics Simulation for Biological and Material polymers2022

    • 著者名/発表者名
      Takefumi Yamashita
    • 学会等名
      International Congress on Pure & Applied Chemistry (ICPAC) 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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