研究課題/領域番号 |
21K03509
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
佐々木 真 日本大学, 生産工学部, 講師 (70575919)
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研究分担者 |
西澤 敬之 九州大学, 応用力学研究所, 助教 (00955007)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | プラズマ乱流 / 構造形成 / スケール混合 / 乱流輸送 / 帯状流 / ストリーマ / ドリフト波乱流 / 乱流捕捉 / 位相空間ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
磁場閉じ込めプラズマには背景流れが存在し、乱流輸送に大きな影響を与えることで、多様なプラズマ分布変形を引き起こし、輸送障壁や階段状分布等の凸凹な分布を示す。このような凸凹分布の空間スケールは乱流の波長スケールと同程度となり、すなわちスケール混合が起こる。本研究では、乱流とプラズマ分布のスケール混合過程に焦点を当て、アバランチや階段状分布・輸送障壁を包括する大域的凸凹分布の選択則を明らかにする。従来のスケール分離を仮定せずに、簡約流体モデルに基づく理論解析と乱流シミュレーションとを組み合わせる事で、大域的分布予測・制御指針を得る事を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究により以下の成果が上がった。(1) 帯状流による乱流の空間孤立化・空間伝播の選択則を明らかにした。本過程は波動運動論に基づく位相空間における乱流捕捉効果により得られた。トロイダルプラズマを考える事で、帯状流は静的帯状流とGAMと呼ばれる振動ブランチを持つ。この帯状流の選択則によって、静的帯状流が駆動される場合は乱流の空間孤立、GAMが駆動される場合は乱流の弾道伝播が得られることを示した。(2)ストリーマと乱流の相互作用について、乱流捕捉効果の効果を導入した理論解析を行なった。ストリーマ構造内における乱流の捕捉を確認し、実験で観測されている乱流伝播と類似したダイナミクスを見出すことができた。(3) 帯状流と階段状分布の相互作用に新古典効果を導入することで、平均流と帯状流の相互作用の研究に進展があった。今後、詳細を論文化する予定である。(4) データ駆動科学に基づき、乱流輸送の位相ダイナミクスを抽出する手法を開発した。本手法は特異値分解(Singular Value Decomposition)をmulti-fieldに適用できる形で拡張した。開発した手法はプラズマ実験における乱流データに適用され、その有用性が確認された。本手法により、少数自由度で輸送ダイナミクスを解析することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って、順調に成果が上がっている。特に本年度は帯状流やストリーマ等のメゾスケール構造に焦点を当て、位相空間を介した乱流の実空間ダイナミクスを明らかにした。さらに、プラズマの背景分布との結合を摂動的に取り込んだ理論モデルへの拡張も行なった。また、データ駆動科学的手法の開発にも取り組み、輸送ダイナミクスの解析に適した手法を考案した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに、背景分布があたえられた状況における乱流の素過程研究を明らかにしてきた。今後は、新古典効果を陽に取り込み、背景プラズマの発展と乱流・帯状流との相互作用へ理論を拡張し、L-H遷移理論へ発展させていく。また、乱流・帯状流の空間スケールの縮退した状況における乱流ダイナミクスの研究として、コヒーレント渦の形成理論等も行う予定である。さらに、データ駆動科学的手法についても波動運動論の検証方法の開発や、乱流の縮約方法の開発等に取り組んでいく。
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