研究課題/領域番号 |
21K03536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
永廣 秀子 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (10397838)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ハドロン / 中間子原子核 / 対称性 / 結合チャネル / 擬スカラー中間子 / eta'原子核 / ハドロン相互作用 / カイラル対称性 |
研究開始時の研究の概要 |
ハドロンの性質を対称性を手がかりとして、統一的に理解することを最終的な目的とし、その一環として、ηおよびη'(958)中間子原子核束縛状態の実験的観測に向けた理論研究を行う。これらの中間子は同じ量子数を持つ基底状態とその励起状態であるが、それぞれ原子核中では、異なるメカニズムでカイラル対称性の自発的破れ、およびその部分的回復の効果を受けると考えられている。本研究はこれらの中間子原子核束縛系を生成し、包括的に議論することにより、有限媒質中におけるカイラル対称性回復のシグナルがどのように得られるのかを解明し、ハドロンの性質においてカイラル対称性の果たす役割について理解することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究はハドロンの多彩な質量スペクトルを対称性の観点から理解することを最終的な目的とし、その一貫としてイータプライム中間子とイータ中間子を原子核に束縛させた系に関する理論研究を行ったものである。これらの粒子は同じ量子数を持ち、互いに混合するが、それぞれ異なるメカニズムでカイラル対称性の部分的回復の影響を受けると考えられている。本研究はその実験的な観測に向けて、イータおよびイータプライム中間子と核子の系について結合チャネル法を用いて研究を行った。これによりイータプライム中間子と核子の系に結合するバリオン共鳴の洗い出しや、崩壊チャネルについて一定の評価を行うことが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ハドロンの質量生成について密度という異なる軸から観測をすることが出来る。これにより真空中のハドロンの性質を見るだけでは明らかにならなかった質量と対称性の関係を明らかにすることが出来ると考える。本研究はこれらの実験的な観測にむけ不可欠な理論的予言や、よりよい実験条件の特定、観測結果の理論的解釈を与えることが期待される。
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