研究課題/領域番号 |
21K03583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大熊 一正 岡山理科大学, 基盤教育センター, 教授 (80367507)
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研究分担者 |
長尾 桂子 岡山理科大学, 理学部, 講師 (90707986)
植田 高寛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50469871)
馬渡 健太郎 岩手大学, 教育学部, 准教授 (90814096)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | トップクォーク / FCNC / レプトンコライダー / 有効場の理論 / 新物理探索 / 暗黒物質 |
研究開始時の研究の概要 |
物質を構成する最小単位である素粒子の振る舞いは,今日,標準模型と呼ばれる特殊相対性理論と量子力学からなる場の量子論に基づく模型によって,精度良く記述される.しかしながら,この模型は,宇宙における観測から,その存在が強く示唆されている暗黒物質を含んでいないため,拡張する必要がある. そこで,本研究では,現在,人工的に作り出せ,その性質を観測可能な素粒子としては,最も重いトップクォークの生成過程に着目する.そして,その過程に寄与し得る標準模型の枠組みを超えた物理の観測可能性を理論的に可能な限り一般性を保ちつつ調査する.
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研究実績の概要 |
トップクォークは,生成後,ハドロンになることなく,すぐに崩壊する.このため,そのレプトニック崩壊を観測すれば,非摂動効果の影響をほぼ受けることがない.つまり,トップクォークのレプトニック崩壊をレプトンコライダーで観測できれば,既存のハドロンコライダーよりも,より不定性の少ない環境下で,トップクォークの性質を高精度で観測できると期待できる.そこで,本研究課題では,現在計画されている複数のレプトンコライダーにおいて,トップクォークのFlavor-changing neutral current(FCNC)の存在を確認できるかを調査する.ここで着目するFCNCは,素粒子物理学の標準模型の枠組みでは,観測が不可能なほど抑制されている.このため,もしFCNCの存在を示す現象が観測ができれば,それは,直ちに標準模型を超えた物理の存在を示唆し,素粒子物理学分野において,長年探し続けている新物理の証拠となる. 今年度は,日本でその建築が計画されているInternational Linear Collider(ILC)を念頭に置き,その稼働開始時の計画目標である電子‐陽電子が重心系の衝突エネルギー250GeVで衝突する場合を想定し,トップクォークFCNC結合の観測可能性,及びそれらの結合定数の制限について,シミレーションソフトを利用して調査した.まず,標準模型の枠組みでも,重心系の衝突エネルギーが250GeVあれば,トップクォークの単生成が可能であることを鑑み,積分ルミノシティが1ab^-1程度(ILC250で目標とされている積分ルミノシティ)では,トップクォークが観測されないであろうことを確認した.現在は,標準模型を超える物理として,標準模型を有効場の理論に基づいて拡張したラグランジアンを利用したシミレーションを実施し,その拡張に対する制限及び拡張による新しい現象の観測可能性を調査中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用しているシミレーションソフトウエアのバージョンアップ等で,シミレーションをうまく実行できない期間が生じてしまった.現在では,有識者及び共同研究者のアドバイス等で,問題を克服できたが,解決に思いの外時間を要してしまったため.
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今後の研究の推進方策 |
使用するシミレーションソフトが問題なく使用できるようになったので,研究対象としてる物理過程(電子・陽電子衝突からのFCNCを通じたトップクォークとチャームクォーク生成等)のシミレーションを行い,トップクォークのFCNC結合に対する解析を進める.また,解析に際しては,従来の運動量等の制限によるイベント選択だけではく,機械学習も踏まえたイベント選択も試み,制限の向上を目指す.
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