研究課題/領域番号 |
21K03592
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
赤池 陽水 早稲田大学, 理工学術院, 主任研究員(研究院准教授) (70726744)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 銀河宇宙線 / 衝撃波加速 / 銀河内伝播 / 国際宇宙ステーション / カロリメータ / CALET / 宇宙線原子核 / 二次核一次核比 / 高エネルギー宇宙線 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が住む銀河系内を起源とする宇宙線(銀河宇宙線)は、超新星残骸における衝撃波で加速され、星間磁場により銀河系内を拡散的に伝播して地球に飛来するという標準モデルにより理解されている。しかしその起源や加速・伝播機構の詳細について未解明な点は多く、それどころか標準モデルでは予想されていないスペクトルの変化(硬化)を示す観測結果が報告されている。本研究では、国際宇宙ステーションに搭載した宇宙線観測機CALET(CALorimetric Electron Telescope)のデータを基に、Z=1-26の各原子核のエネルギースペクトルを測定し、宇宙線の加速・伝播機構の描像を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、国際医宇宙ステーション搭載の宇宙線観測装置CALET(Calorimetric Electron Telescope)のデータを解析し、これまでにない高精度の陽子、He, B, C, O, Fe Niなどの主要な原子核のエネルギースペクトルを導出した。標準的な加速・伝播モデルでは説明できないスペクトル硬化や、二次核/一次核比の測定など、宇宙線の加速・伝播の理論モデルの解明に重要な基礎データが得られた。さらに、電子(+陽電子)のエネルギースペクトルや太陽変調による宇宙線強度の電荷依存性などの成果も得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
宇宙における高エネルギー放射の理解には、その源になっている荷電粒子(宇宙線)の理解が必須である。地球で観測される宇宙線は、その加速・伝播が複雑に絡み合った結果であり、宇宙線を正確に理解するためには、粒子種別や個々のエネルギースペクトルを測定し、各々の側面を切り分けることが不可欠である。本研究では、CALETによる高い粒子選別性能と長期間の観測量を背景に、直接観測として最も高いエネルギー領域(GeV - TeV領域)のエネルギースペクトルを導出した。これらは、宇宙線の加速・伝播モデルの検証に重要な基礎データとなり、宇宙における高エネルギー現象の探究に重要な役割を果たす。
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