研究課題/領域番号 |
21K03606
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
大前 宣昭 福岡大学, 理学部, 准教授 (60615160)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レーザー干渉計 / 光共振器 / 光ショット雑音 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー干渉計型重力波望遠鏡では、感度を向上させるために高出力なレーザーを使用する。レーザーの高出力化に伴い、光検出器での受光パワーが限界に達しつつある。そこで、レーザー干渉計の光信号を電気信号に変換する光検出器において、従来の光の直流検出+電気的なAC結合ではなく、光共振器の反射光のフィルタ効果を利用した「光AC結合」による信号検出方法を提案し、少ない受光量で高感度な低ショット雑音のレーザー干渉計を実験的に実証し、大型重力波望遠鏡への応用可能性を見出す。
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研究実績の概要 |
レーザー干渉計型重力波望遠鏡では、感度を向上させるために使用するレーザーを高出力化する。しかし、光検出器での受光パワーにも上限がある。重力波の信号は交流であることに着目し、レーザー干渉計の光干渉信号を電気信号に変換する光検出器において、従来の光の直流検出+電気的なAC結合ではなく、光共振器の反射光のフィルタ効果を利用した「光AC結合」による干渉計の信号検出方法を提案し、少ない受光量で高感度な低ショット雑音のレーザー干渉計を実験的に実証する。本研究では実験室で75 cmの大きさのマイケルソン干渉計を構築することで、100 MHzの超高周波の重力波をターゲットとする。本研究にて、レーザー干渉計における光AC結合による低ショット雑音の信号取得の手法を確立し、大型重力波望遠鏡への応用可能性を見出す。 今年度は、昨年度製作した3種類の光共振器を組み合わせたマイケルソン干渉計の動作を実現し、光AC結合での干渉信号取得を実験的に実証した。マイケルソン干渉計に電気光学位相変調器(EOPM)を挿入し、重力波の擬似信号を生成し、光検出器での信号の大きさを測定した。従来の直流(DC)受光と同じ受光量で、受光量に対する重力波信号の大きさが10 MHz-100 MHzの周波数帯で5倍程度改善することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度までに、マイケルソン干渉計に入射するレーザー光の雑音除去、光AC結合信号検出、そして干渉信号に混入する不要な高次の空間モード除去用の3種類の光共振器をそれぞれ製作し、今年度は、3種類の光共振器を組み合わせたマイケルソン干渉計の制御に成功した。また、マイケルソン干渉計に電気光学位相変調器(EOPM)を挿入し、重力波の擬似信号を生成し、光検出器での信号の大きさを測定することで、従来の直流(DC)受光と同じ受光量で、受光量に対する重力波信号の大きさが10 MHz-100 MHzの周波数帯で5倍程度改善することを確認した。当初の計画案通りのスケジュールで研究は進んでおり、次年度予定の本手法を用いた重力波検出器の雑音源の特定に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに光共振器を組み合わせたマイケルソン干渉計の動作を実証し、本手法の優位性を示すデータが得られている。あとは、本手法を用いた干渉計の雑音評価を進める。
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