研究課題/領域番号 |
21K03616
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
植村 誠 広島大学, 宇宙科学センター, 准教授 (50403514)
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研究分担者 |
加藤 太一 京都大学, 理学研究科, 助教 (20283591)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 天文学 / 突発天体現象 / データサイエンス / 観測天文学 / データ科学 / 光赤外線天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
時間領域天文学において、1日以下で変動する突発現象の研究は発見直後の迅速かつ適切な追跡観測が重要である。本研究では情報理論の枠組みを利用し、最も適切な追跡観測を自動的に意思決定する観測システムを開発する。これはつまり、夜間に発生した正体不明の突発現象に応じて、ロボット望遠鏡が有効な追跡観測を自分で考えて実施するシステムである。
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研究実績の概要 |
本研究では、突発天体現象、特に新星と矮新星の爆発初期の状態を明らかにするため、人間による判断を必要としない自動観測システム「Smart Kanata」を開発した。開発したシステムは広島大学かなた望遠鏡に搭載し、試験運用の後、定常運用に移行し、新星の初期スペクトルの取得に成功するなどの成果を挙げた。 最終年度は、自動分光観測、自動分光データ解析、自動多色撮像観測の機能を開発し、試験運用を行なった。これによって、Smart Kanata として予定していた全ての機能の開発が終了し、年度後期から広島大学かなた望遠鏡において、本システムの定常運用を開始した。これまでに10天体の観測機会を得たが、多くは悪天候のため観測に失敗した。しかし、2024年3月26日に発生した突発現象 TCP J17395720-2627410 に対して、Smart Kanataが新星の可能性がある天体と判定し、自動分光観測に成功した。得られた天体のスペクトルから本天体がヘリウム・ネオン型の古典新星であることを確認した。この結果は突発天体現象の速報サイト Astronomer's Telegram に報告され、Smart Kanata の初期成果の一つとなった。 本研究では、初年度に天体クラスの機械判別モデルの開発、次年度に自動分光観測モードの開発と試験観測を経て、最終年度にシステムが完成した。科学成果としては、上記の新星の他にも試験運用期間中の観測から、矮新星の降着円盤構造について既に研究成果があがっている。本研究で開発した Smart Kanataシステムによって、今後数年で新星と矮新星の爆発初期のデータが飛躍的に増加すると期待できる。
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