研究課題/領域番号 |
21K03617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
町田 正博 九州大学, 理学研究院, 教授 (10402786)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 星形成 / 磁気流体 / 原始惑星系円盤 / ジェット / 惑星形成 / 原始星 / ダスト / 原始星アウトフロー / 磁気流体力学 / アウトフロー / 星周円盤 |
研究開始時の研究の概要 |
数値シミュレーションを用いて主降着段階の星形成過程を解明する。星が非常に若い段階での星周円盤の成長とダストの振る舞いを調べ、星周円盤中で惑星形成がいつ開始したかを特定する。また、質量降着期のジェットの長時間シミュレーションを行い、原始星への質量降着過程を理解する。その後、シミュレーション結果の観測的可視化を行って星周円盤とジェットのシミュレーション結果と観測結果とを直接比較することによって若い段階の星形成過程を解明する。
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研究実績の概要 |
3次元多層格子法を用いて主降着期の長時間の進化のシミュレーションを行った。分子雲コアを初期条件として、1天文単位以内をシンクセルとし原始星形成後10万年間の計算を行った。また、簡単のため分子雲コアの磁場ベクトルと角運動量ベクトルは並行であるとして、重力収縮の過程を計算した。原始星形成初期は、磁気制動により10天文単位程度の小さいサイズの円盤が存在し、強いアウトフローによる質量放出が起こった。時間と共にエンベロープが枯渇すると徐々にアウトフローは弱くなった。他方、磁気制動による円盤からの角運動量輸送効率も低下したため円盤は急激に成長し300天文単位程度の大きさになった。エンベロープの密度が十分低下した後は、円盤に落下するガスのラム圧が十分小さくなったために円盤からアウトフローが再び現れた。円盤は、アウトフローによる角運動量とガスの輸送によって進化する。シミュレーションの最終段階から角運動量輸送効率と質量放出率を計算したところ、円盤はおよそ100万年程度で散逸することが分かった。このタイムスケールは観測とよく一致する。現在、この主降着期、またはその後の段階の長時間進化の研究をまとめ国際査読誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにこの研究テーマにより19報の論文が国際査読誌に掲載されている。アウトフローとジェットの駆動の研究では、アウトフローは磁場が強い場合にのみ駆動することを示した。また、アウトフローが駆動しない場合でもジェットによりアウトフローが駆動することは無いことを示した。この結果は、星形成時にアウトフローが普遍的に表れる場合、星は強磁場環境のみで誕生することを意味している。 円盤形成の研究では、星形成の母体となる分子雲コアがもつ磁場ベクトルと角運動量ベクトルが異なる場合、磁気制動による角運動量輸送効率が異なり円盤成長に多大な影響を与えることを示した。そのため、磁場の散逸と共に星形成の初期条件が円盤進化に影響を与える。 主降着段階の長時間進化の研究では、主降着段階終了後のClass II段階においても円盤風が現れることを示した。星周円盤、または原始惑星系円盤の進化は円盤風による角運動量輸送効率が決めることが分かった。また、従来から使用している計算コードに惑星の素となるダストをラグランジュ粒子として組み入れ、円盤形成初期のダストの振る舞いを調べた。これらから研究は概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
主降着段階の長時間進化のシミュレーションの結果を国際査読誌に投稿中である。査読者からのコメントに従って改訂は終了している。この論文が受理されるまで改訂を続ける。この研究とは別に磁気交換型不安定性の数値計算を行っている。磁気交換型不安定性については、我々の研究グループで観測によって2例見つけており、2023年と2024年に2つの天体とも国際誌に発表済みである。一件はプレスリリースを行い世界の多くの国で報道された。磁気交換型不安定性の理論計算の論文はまだ出ていないため数値シミュレーション結果を速やかにまとめて国際誌に投稿する。また、磁場がある際に擬円盤についての数値シミュレーションも実行中である。擬円盤は観測で円盤から伸びているストリーマーに対応すると考えている。こちらも速やかに解析を行い国際誌への投稿を予定している。
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