研究課題/領域番号 |
21K03630
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
北井 礼三郎 立命館大学, 法学部, 非常勤講師 (40169850)
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研究分担者 |
一本 潔 立命館大学, 理工学部, 授業担当講師 (70193456)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 太陽物理学 / 大気加熱 / 太陽磁場 / プラージュ |
研究開始時の研究の概要 |
太陽表面は一様なものではなく、様々なスケールの模様を目にすることができる。これは、対流による大気の流れと磁場が作り出している模様・構造である。この中でプラージュと呼ばれる加熱領域がある。特に彩層とよばれる層で顕著にみられる。この領域は、磁場の強い黒点の周辺に現れる。この加熱機構は未だ解明されていない。 このプラージュ域から外界に向けて放射される強い紫外線は、地球大気を温める効果を持つ。特に太陽活動の変遷に同調してプラージュ域からの放射線量は増減し、長期地球気候変動の重要な因子となっている。 この研究では、このプラージュ域の加熱機構を解明して、太陽物理学・地球物理学上の未解決問題に挑戦する。
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研究実績の概要 |
京都大学飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡を用いて太陽の微細構造を観測することは、2023年7月に実施した。活動領域NOAA13379内のプラージュ領域の単色像を高速度撮像システムを用いて撮影し、スペックルマスキング法を適用して待機乱れによる画像乱れの補償を行い良好な結果を得た。この際の結果の紹介と、撮像および画像回復における問題点を2023年度のDST利用者会議で報告した。 米国ハワイにあるDKIST望遠鏡を用いた観測プロジェクトは、2次元分光を行う挑戦的なもので、採択後実施待ちの状況である。 上記二つの観測プロジェクトに加えて、2023年度は、中国国家天文台(北京)のZhang博士と米国BBSOで実施された観測の解析を共同で行った。対象は、黒点を分割する細い構造であるLight Bridgeと呼ばれる場所で発生したガス噴出現象(サージ)とLight Bridge部の光球層で現れる微細粒状斑の動きとの相関を調査解析することであった。結果として、(1)Light Bridgeには、微細粒状班の集団(GG)が時々発生する。(2)そのGG発生が切っ掛けとなって上空に向けてガスが噴出してサージが発生する。(3)Light Bridge上空のコロナには捩じれた磁力管構造が存在している。(4)この磁力管には自由エネルギーが蓄えられていて、GG発生が切っ掛けとなって、コロナ中で磁気再結合現象が起動されてサージとなる。以上のことが結論として得られた。この成果は、現在Astronomy&Astrophysicsに論文を投稿審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
飛騨天文台DST望遠鏡における観測で順調にデータが取得できている。
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今後の研究の推進方策 |
京都大学飛騨天文台DST望遠鏡での観測研究を継続する。また、米国DKIST望遠鏡で得られる予定の2次元分光観測の解析を実施する。合わせて、成果を論文にまとめ公表する。
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