研究課題/領域番号 |
21K03632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
今西 昌俊 国立天文台, ハワイ観測所, 助教 (00311176)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 超巨大ブラックホール / 活動銀河中心核 / 分子ガス / ALMA / 干渉計 / 電波 / ミリ波 / サブミリ波 / 銀河 |
研究開始時の研究の概要 |
日米欧が南米チリの標高5000メートルのアタカマ高地で運用中のALMA干渉計を用いて、現在物質を盛んに飲み込んで活動的になっている超巨大ブラックホール周囲に分布するガスを、波長0.3-3.5ミリの(サブ)ミリ波で高空間分解能で観測する。物質をどう内側に供給するのかに関して観測的制限を付け、宇宙の超巨大ブラックホールがどのようにして質量を獲得し、成長してきたのかという未解決問題に対して、日本から独自の観測的回答を提示する。
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研究実績の概要 |
宇宙に存在する銀河の中心には、ほぼ100%の確率で超巨大ブラックホールが存在し、銀河の星と中心の超巨大ブラックホールの質量の間には相関があることが観測から分かっている。従って、銀河と超巨大ブラックホールは互いに影響を及ぼし合いながら、「共進化」してきたと考えられている。今まさに超巨大ブラックホールに盛んに物質が落ち込んで活動的になり、周囲の降着円盤が非常に明るく輝いている活動銀河中心核は、宇宙の超巨大ブラックホールの質量成長を理解する上で極めて重要な天体である。電波の(サブ)ミリ波で高空間分解能が実現し、超巨大ブラックホールのすぐそばに存在する高密度分子ガスからの輝線を観測できるALMAは、本研究を進める上で極めて強力な観測施設である。
本年度は、活動銀河中心核を持つ合体銀河の中心核の高密度分子ガス輝線のALMA観測データを詳しく解析し、非局所熱平衡モデルの計算結果と比較した。その結果、活発に質量降着する超巨大ブラックホールを持つ合体銀河は、そうでない銀河に比べて、(1)より高密度で高温の分子ガスが中心核付近に集中して分布していること、(2)ホルミルイオン(HCO+)に対するシアン化水素(HCN)の組成比が中心核で増加していることを定量的に見出し、2編の主著査読論文として出版した(Imanishi et al. 2023a ApJ 950 75; Imanishi et al. 2023b ApJ 954 148)。一連の研究成果に関して、国際学会での50分の招待レビュー講演の単著の集録論文も1編出版した(Imanishi 2024 IAUS 380 23)。私が成果創出に重要な貢献をした共著査読論文も21編出版/受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
主著査読論文を2編(Imanishi et al. 2023a ApJ 950 75; Imanishi et al. 2023b ApJ 954 148)、国際研究会の招待講演の13ページの単著の集録論文を1編(Imanishi 2024 IAUS 380 23)出版することができ、研究成果を世界に公表するという主要目的を十二分に果たすことができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年8月にデータが取得されたものの、まだ私の所に配布されていないALMAによる近傍活動銀河中心核の超高空間分解能の高密度分子ガス輝線データを解析し、活動的な超巨大ブラックホールへの質量降着の物理過程を、観測的により詳細に明らかにする。
並行して、一定の割合の活動的な超巨大ブラックホールでは、一定の物理条件が満たされれば、周囲で非常に明るい水分子のメーザー放射が観測される。超巨大ブラックホールのすぐ近傍から来ているこの非常に明るい水メーサー放射を用いれば、中心の超巨大ブラックホールの質量を、力学的手法を用いて、他のどの手法よりも定量的に最も正しく導出することができると期待されている。この手法で研究を発展させ、実際のALMA観測データの取得へと繋げていきたい。
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