研究課題/領域番号 |
21K03643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
家森 俊彦 京都大学, 理学研究科, 名誉教授 (40144315)
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研究分担者 |
齊藤 昭則 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10311739)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 磁気リップル現象 / 鉛直音波共鳴 / トンガ火山噴火 / ラム波 / Swarm衛星 / 大気と熱圏のカップリング / 垂直音波共鳴 / トンガ海底火山噴火 / GPS-TEC変動 / 電離圏磁場 / 電離圏電子密度 / 大気圏電離圏結合 / 音波 / 降雨 |
研究開始時の研究の概要 |
低高度極軌道衛星により発見された昼間側の中低緯度電離圏に出現する「磁気リップル」現象は、下層大気から伝搬した大気波動により発生したダイナモ電流が磁力線に沿って反対半球に向け発散した微細な沿磁力線電流の空間的構造であるが、大気波動のモードや気象現象との対応は未だ明確ではない。類似しているが出現位置が少し異なる電子密度の波状構造についても同様で、それらの特性を、JAXAの全球降水マップ(GSMaP)や、地上での降雨・微気圧、GPS-TEC観測、および磁気リップル現象の出現特性と比較し、磁場および電子密度に見られるこれら電離圏の波状構造の下層大気現象との対応および生成メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
2022年1月15日に噴火したトンガ海底火山による鉛直音波共鳴現象の発生、および、その影響がSwarm衛星による磁場観測データに表れていることが予想されたので、トンガに近いApiaおよび磁気共役点に近いホノルルの磁場データおよび付近のGPS-TEC観測データ、タイ・ピマーイの微気圧、地磁気、GPS観測データとともに解析を行った。トンガ近辺では明瞭な鉛直音波共鳴現象が磁場およびGPS-TEC観測データに検出され、また、磁気共役点に近いホノルルでも磁場観測データから検出することができた。また、ハワイ諸島上空のGPS-TECデータにも変動が見られ、これらは磁力線に沿って反対半球に流れた沿磁力線電流およびそれに付随する電場の影響と解釈し、EPS誌に投稿、掲載された。Swarm観測データにもその影響と考えられる磁場変動(磁気リップル現象)が検出された。タイ・ピマーイの微気圧変動観測データには、噴火に伴って発生したラム波の到達、および磁場とGPS-TEC観測データには、それに関連すると考えられる磁場変動、TEC変動が検出された。ピマーイでは、ラム波の通過に伴って明瞭な鉛直音波共鳴現象が観測されており、水平伝搬のラム波から、鉛直音波共鳴を起こす鉛直方向に伝搬する音波がどのように生成されるかの解明は、令和5年度の課題の一つとなる。また、ラム波の伝搬方向(西回りか東回りか)による気圧変動の大きさの異方性がピマーイの微気圧変動で明瞭に観測されており、その原因の解明も課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
トンガ火山噴火現象の解析からは、当初予想しなかった水平伝搬する気圧波(ラム波)の通過に伴って鉛直音波共鳴現象が発生していることを発見した。また、地球を少なくとも2周したラム波の気圧変動観測から、伝搬方向による気圧変動振幅の異方性を示す結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
これまで2年間の研究から、下層大気現象、特に激しい降雨を伴うような気象現象が、Swarm衛星により400-500km高度で観測される磁気リップル現象の振幅と相関していること、また、全地球的に見ると、地域により振幅の異なることを示すことができた。昨年度主として解析したトンガ海底火山噴火による微気圧変動やGPS-TEC変動の解析からは、火山噴火による鉛直共鳴現象の発生と磁力線を通した反対半球との電磁気的結合を確認するとともに、ラム波の通過に伴って、鉛直方向に伝搬し、鉛直音波共鳴を引き起こす音波の生成を強く示唆する結果が得られた。また、ラム波の振幅の異方性についても示唆された。今年度は、これらの結果をさらに確実なものとするための解析を、世界各地のGPS-TEC観測データから確認し、論文としてまとめるとともに、より定量的な解析を行い、理論的な議論に結びつける。
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