研究課題/領域番号 |
21K03650
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17010:宇宙惑星科学関連
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
長澤 真樹子 久留米大学, 医学部, 教授 (00419847)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 惑星形成・進化 |
研究開始時の研究の概要 |
観測される木星型の系外惑星の分布から,太陽系外では,惑星同士が強く散乱して大きく軌道が乱れる現象が生じていると考えられている。散乱をするためには,惑星同士はかなり近くに存在しなければならないが,どのようにして惑星同士が近づくのかはよくわかっていない。この研究では,木星型の惑星が作られたときに存在しているガスと塵の円盤と惑星の相互作用,そして惑星が大気を得て重くなっていく過程の2つが惑星を近づける鍵ではないかと考え,重力の計算から,どのようなときに惑星が近くに存在できるかを調べる。
|
研究実績の概要 |
初年度の計算をさらに拡張し,複数個の木星型惑星コアが存在する状態で,1つのコアが木星へと成長するときに生じる軌道不安定について検討を続けた.初年度にいくつか試した計算では,1つのコアが成長すると他のコアはほとんど残れず,複数の木星型惑星が近接して形成されるような条件は見つけられなかった.そこで,木星が大きくなりすぎることが散乱を導いている可能性があると考え,木星が成長する最大サイズが異なる場合について調べることにした.惑星コアが一千万年で木星質量の約2.5倍まで成長した場合と,一千万年で約4.5倍まで成長した場合について,初期の軌道の角度変数をランダムに振って150ランずつ計算を実施した.最大サイズの異なる両者を比較したところ,残念ながら,木星程度の質量までコアが成長する場合,数倍程度の最終サイズの違いは結果に重要な寄与を持たない,との結論となった.探している複数の木星型惑星が近接して残る最終状態は,どちらの場合にも見られなかった.エキセントリックプラネットと呼ばれる系外惑星のように,2つの惑星が離れて残る場合は,2.5倍の場合も4.5倍の場合のいずれも2%程度であり,コアの衝突の回数や放出の数などもほぼ差異が見られない.惑星形成論的には,惑星コアはヒル半径の10倍程度の間隔で並ぶことが示唆されているが,この間隔では,2.5倍まで成長する場合と4.5倍まで成長するどちらの場合も,基本的に成長しているコアの隣のコアが散乱された段階で,系全体が不安定になってしまう.つまり,ある程度惑星コアが成長してヒル間隔的に隣のコアと近くなるかどうかが鍵であって,その質量以上であれば,最終的な質量には依存しないと推測される.こうしたことから,複数の木星型惑星が数ヒル以内に残るためには,ガス抵抗など,離心率を下げて系全体の不安定を押さえる効果が必須であろうと考えられる.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に開発した計算コードでパラメーターサーベイを行う予定の通りに,条件を変えた計算を規模を大きくして実施できた.ガス抵抗を含めた計算までは至らなかった.
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き,惑星成長がある場合の惑星コアの安定性についてパラメーターサーベイを続ける.成長速度や惑星間隔,初期位置の依存性などについて検討を進めていく.ガス抵抗などの円盤の効果を含めた計算コードを引き続き開発していく.
|