• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アンモニアの凝結・化学反応・水溶液の詳細計算から迫る木星大気の雲対流構造

研究課題

研究課題/領域番号 21K03651
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分17010:宇宙惑星科学関連
研究機関松江工業高等専門学校

研究代表者

杉山 耕一朗  松江工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (60463733)

研究分担者 中島 健介  九州大学, 理学研究院, 准教授 (10192668)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード木星大気 / 雲対流 / 雲解像モデル / 惑星大気 / 数値モデリング
研究開始時の研究の概要

本研究は近年のミリ波・サブミリ波によるリモート観測に基づいて推定されたアンモニア蒸気の分布を切り口とし,雲対流の動的数値シミュレーションによって厚い雲に覆われた木星の大気構造に迫るものである.物質の熱力学的特性に着目した従来の研究で議論されてきたアンモニアの凝結物・化学反応生成物・水溶液の全てを取り込むことで雲解像モデルの予言能力を高め,木星大気の温度や凝結成分の鉛直プロファイルに制約を与えることを目指す.

研究実績の概要

本研究はアンモニアの凝結・化学反応・水溶液の詳細計算の実現と,これを組み込んだ雲解像モデルによる動的数値シミュレーションによって,厚い雲に覆われた木星の大気構造に迫ることを目的とするものである.
アンモニアの詳細計算モジュールについては,ギブス自由エネルギー最小化法に基づいて定式化することで実現できる目途がついた.アルゴリズムとしては制約付き最適化法の 1 つである RAND 法を採用し,計算格子の温度・圧力を与えた時にギブス自由エネルギーが最小化される組成を元素数保存の条件下で反復的に求める.
アンモニアの詳細計算モジュールの組み込み先である雲対流モデルについては,ソースコードに大幅な改修を加えている最中である.その理由の 1 つは,雲対流モデルの既存のソースコードは物理過程のモジュール化に不十分なところがあったためである.雲微物理過程を新たな詳細計算モジュールに差し替えることが予想していたほど簡単ではないことが判明し,プログラム構造の再設計によって問題解決を図っているところである.理由の 2 つ目は,計算速度を向上させるための仕組みが必要となっているためである.雲解像モデル中の既存の雲微物理過程に比べて新たな詳細計算モジュールの計算コストが高いことは間違いなく,凝結・蒸発が生じないことが明白な高度領域では,新たな計算モジュールを呼び出すことなく,アンモニア気体の移流だけを解くようにするといった改修を行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アンモニアの詳細計算モジュールの組み込み先である雲対流モデルの改良に予想以上に手間取っている.

今後の研究の推進方策

目下の課題である雲解像モデルの改良を成し遂げ,それとアンモニアの詳細計算モジュールを結合させることによって,多成分多相系で化学反応と水溶液の生じる条件下での計算を可能とする.それを終えた後に,計算領域を2次元とし,アンモニアなどの凝結成分の存在度をパラメタとした雲対流の動的数値シミュレーションを多数実行する.個々の雲の生成消滅の様相,ならびに雲の生成消滅が繰り返された結果として実現する温度・成層構造,物質分布,流れ場を掌握し,雲対流構造の特徴ならびにアンモニア蒸気の空間分布を凝結成分の存在度というパラメタ上に位置付ける.最終的には動的数値シミュレーションで得られたパラメタ依存性を従来の理論的研究や探査機などの観測結果と比較し,厚い雲に覆われた木星の大気構造に迫ることを目指す.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 木星型惑星の大気における蒸発下降流の抑制について2023

    • 著者名/発表者名
      永里奈々
    • 雑誌名

      九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻修士論文

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 惑星大気雲解像モデルに向けた不等間隔格子用計算モジュールの開発と金星大気への応用に関する研究2022

    • 著者名/発表者名
      若木亮佑
    • 雑誌名

      松江工業高等専門学校専攻科論文

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 木星の雲対流の数値計算 ~放射伝達計算による平均冷却鉛直分布を与えた場合~2021

    • 著者名/発表者名
      関口 太郎,杉山 耕一朗,石渡 正樹,中島 健介,倉本 圭,林 祥介
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2021
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 木星の雲対流の数値計算 ~放射伝達計算による平均冷却鉛直分布を与えた場合~2021

    • 著者名/発表者名
      関口 太郎,杉山 耕一朗,石渡 正樹,中島 健介,倉本 圭,林 祥介
    • 学会等名
      日本気象学会2021年度春季大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi