研究課題/領域番号 |
21K03662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
榎本 剛 京都大学, 防災研究所, 教授 (10358765)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 数値最適化 / データ同化 / ヘシアン / 共軛勾配法 / ニュートン法 / 直線探索 / KdVB方程式 / 順圧渦度方程式 / 変分法 / アンサンブル / へシアン / 自由度 / 動径基底函数 / 数値計算法 / 数値天気予報 / 最適推定 |
研究開始時の研究の概要 |
数値天気予報は観測データを物理法則に基づくモデルに同化した初期値から将来を予測することにより行われています。これまでは,格子系に幾何学的に制約を受ける手法が用いられてきました。近年,節点からの距離のみに依存する「動径基底函数」(RBF)が微分方程式の数値解法に応用されています。この研究ではRBFの観点から大気データ同化の理論的枠組を再検討し,RBFの有用性を簡単なモデルで検証します。さらに,RBFを用いた浅水波方程式モデルやプリミティブ方程式系モデルと組み合わせた同化システムを構築し,球面調和函数など既存の離散化手法を用いたシステムと比較します。
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研究実績の概要 |
異なる最適化手法のふるまいについて詳しく調査した。ヘシアンを用いた前処理は2次函数については効果的であるが、高次の非線型に対しては逆効果となることがある。ヘシアン前処理を用いると、共軛勾配法でもニュートン法同様に2次函数の最小値に1回で到達するが、高次の函数では前処理により反復回数が増加した。これに対し、直線探索を用いないニュートン法及びガウス・ニュートン法は高次の非線型函数でも速く収束する。その理由について考察したところ、これらの手法ではコスト函数が増加する方向にも進み、次に最小値またはその近傍に到達できることを示した。次に単一の風速観測を同化する実験において、収束特性について検討を行った。共軛勾配法を用いた場合、最急降下方向に進む最初の反復回の後、最適化が終了してしまう。降下方向のコスト函数を確認すると、直線探索におけるArmijo条件を満たさずに終了することが分かった。この最適化の停滞は初期の観測摂動行列を固定することで回避できることを見出した。さらにKdVB方程式モデルを構築し、共軛勾配法を用いた最尤法アンサンブルフィルタと本研究において考案したニュートン法を用いた改良版との比較を行い、後者は前者に匹敵する解析精度が得られかつ予報がより安定することを示した。加えて、海洋表層の海流を模した矩形の順圧渦度方程式モデルを構築し、大規模問題に適用する場合に必要となる局所化について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
数値最適化は変分法データ同化において、第一推定値や観測との乖離を表すコスト函数の最小化に用いられている。物理空間で最適化を行う場合、計算資源の制約から2次収束するニュートン法を用いることができず、共軛勾配法や省メモリ準ニュートン法で代用されている。アンサンブル手法で用いられるメンバー数は高々1000程度であり、ヘシアンを明示的に扱い、逆行列を求めることは難しくない。一方アンサンブルから計算されるコスト函数やその勾配、ヘシアンは限られた標本からの推定であり、誤差がありノイズが含まれている。そのような条件の下で、ベンチマーク函数や理想的なデータ同化実験を用いてアンサンブル変分法データ同化に適した数値最適手法を検討したことは、今後現実の大規模問題に適用する際に有用な指針を与えるものである。
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今後の研究の推進方策 |
数値最適化に関する考察を国際学会で報告するとともに、投稿論文としてまとめる。順圧渦度方程式モデル等を活用し、現実の大気や海洋の流れに対するデータ同化において数値最適化がどのように機能するかや局所化により共分散の構造及び解析がどのような影響を受けるかについて詳細に分析を行う。さらには、3次元モデルへの適用に向けて、モデルや同化コードの準備を進める。
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