研究課題/領域番号 |
21K03668
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
堀田 大介 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 主任研究官 (60805365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | データ同化 / 非ガウス分布 / 画像データ / 赤外画像 / ガウス分布 / 自己符号化器 / 数値予報 / 非ガウス性 / 位置ずれ |
研究開始時の研究の概要 |
数値天気予報において衛星画像等の稠密で面的な観測データの重要性が増してきているが、稠密・面的な観測データの同化には「次元の冗長性」「観測誤差相関」「観測誤差の非ガウス性」という3つの困難がある。 本研究では、機械学習分野で開拓されてきたアイデアを援用してこれら3つの困難が解決可能を探求する。非ガウス分布する面的観測データに対して、機械学習手法の一種である変分自己符号化器を用いた前処理を施すことで次元の削減と分布のガウス化を行い、前処理済みのデータを既存の手法で同化することを試みる。理想実験を通じて定式化を完成させ、赤外衛星画像データの領域大気モデルへの同化に適用することでその有効性を検証する。
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研究実績の概要 |
本課題では雲や降水に影響される気象衛生画像などの、非ガウス性の強い画像状の気象観測データを、機械学習手法の一つである変分自己符号化器を用いてガウス性の高い潜在変数に変換し、変換後の空間でガウス分布を仮定したデータ同化手法により解析を実施することで、これまで実現し得なかった、非ガウス・稠密データの同化を実現することを目標としている。 2022年度は、フランス気象局附属気象学学校との共同研究により静止気象衛星ひまわり8号によるバンド13の赤外画像を用いて、現実データの変分自己符号化器による学習に取り組んだ(交付申請書に記載の研究実施計画中、2023年度実施予定とした【課題3】に相当)。現実データの収集・フォーマット変換とJulia言語による変分自己符号化器の実装を進め、実際に訓練ループを回せるところまで進捗している。 現実のデータ同化に実用できるだけの再構成誤差(すなわち、一度符号化した潜在変数を復号器に通して得られる画像と元の画像が、測器の観測誤差と比べ十分に小さい程度になること)を達成するところまでは至っていないが、符号化器および復号器に多段の畳み込み層を導入することで訓練にかかる計算時間が大幅に短縮されることや、目的関数の設計において通常取り込まれる、近似潜在分布と標準ガウス分布のクルバック・ライブラー発散項を含めないことでむしろ潜在空間における特徴量の分離が明瞭になることなど、重要な知見がこれまでに既に得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度は、課題代表者が文部科学省宇宙関係在外研究員制度により1年間、別の課題により英国へ留学することとなったことから、本課題での研究は1年間分、遅らせる想定でいた。このため研究実施計画中、本年度実施予定としていた【課題2】(簡易流体モデルによる理想実験)は進捗がない。 ところが、課題代表が2021年度にオンライン開催の国際研究集会で本課題の計画と理論的基礎を発表したことからこれに関心を示したフランス気象局附属気象学学校の大学院生およびフランス気象局所属の指導研究者との共同研究が実現し、2023年1月から6ヶ月間の共同研究を開始することができた。 この共同研究により、研究実施計画中、本年度実施予定としていた【課題3】を前倒しで実施することができ、当初の想定以上の成果が既に得られている。 このため【課題2】の遅れと【課題3】の想定以上の進捗が相殺しており、総合的にみて本課題の研究は順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究実施計画に沿って、【課題2】(簡易流体モデルによる理想実験)を課題代表者が自ら進めるとともに、【課題3】(赤外画像の現実データの学習)にフランス気象局附属気象学学校との共同研究として取り組む。 また、2021年度に概ね完成した、理論的基礎の定式化について詳細を詰め、論文執筆を急ぐ。 さらに、2024年度と最終年度の2025年度に実施予定の、現実データの現実システムによるデータ同化実験を見据え、この実施に必要となる、機械学習モデルをFortran言語から利用する方法について、技術的な検討を進める。
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