研究課題/領域番号 |
21K03669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
幾田 泰酵 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 主任研究官 (80878249)
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研究分担者 |
澤田 謙 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 主任研究官 (10847205)
堀田 大介 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 主任研究官 (60805365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | データ同化 / 集中豪雨 / 深層学習 / 数値天気予報 / 水物質の背景誤差 / アンサンブル予測 / 豪雨の発達機構 |
研究開始時の研究の概要 |
現業数値気象予報センターのデータ同化システムは、雲や雨などの水物質を解析変数としていない。そのため水物質と気温や気圧などの気象場と気象学的な整合がとれておらず、集中豪雨の再現精度の低下の原因となっている。この問題を解決するには水物質を解析変数として扱うために水物質と気象場の予測誤差統計情報である背景誤差共分散行列を求める必要がある。しかし、水物質の予測誤差は、背景となる気象場との間に強い非線形関係があるため従来の統計的アプローチに基づいたモデル化が困難であった。本研究では、様々な気象場に応じた背景誤差共分散行列を深層学習で求めデータ同化に利用し豪雨発達機構を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、様々な気象場に応じた背景誤差を深層学習で推定し、データ同化に利用して豪雨発達機構を解明することである。従来の統計的な背景誤差推定手法では、雲降水過程の多様性により高精度な推定が困難であった。そこで、深層学習の一種である条件付き敵対的生成ネットワークを用いて背景誤差共分散行列を生成する手法を開発した。この手法で生成した背景誤差を用いて雨と雪の混合比の同化インパクトを調査し、従来手法よりも優れた解析精度が得られることを示した。また、雲降水予測の誤差要因を解明するため、新たな雨滴粒径分布と非球形の雪粒子を数値モデルに導入した。その結果、降水系内部の水物質の予測精度の向上が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究課題の成果は、気象レーダーや地球観測衛星データ同化技術の進展をもたらし、数値天気予報モデルによる集中豪雨の内部構造の精密な再現を可能とする。この数値モデルの現象再現性の向上は、顕著現象の原因となる積乱雲の発生や発達機構の高精度な分析を可能とする。豪雨の発達機構に関する理解の深化は、気象学の更なる進歩に必要不可欠である。また、数値天気予報モデルの初期値の精度向上は、日々の数値天気予報の精度も向上させる。特に、モデルの水物質の再現性能の向上は、水害や土砂災害の原因となる集中豪雨の予測精度向上に直結し、防災情報の高度化に寄与する。
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