研究課題/領域番号 |
21K03684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
田口 幸洋 福岡大学, 公私立大学の部局等, 研究特任教授 (00108771)
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研究分担者 |
米津 幸太郎 九州大学, 工学研究院, 准教授 (90552208)
三好 雅也 福岡大学, 理学部, 教授 (50557353)
奥野 充 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (50309887)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大屯火山 / 火山形成史 / 年代測定 / 形成過程 / マグマ供給システム / 地熱活動 / 熱水変質 / 対比研究 / 大屯火山群 / 九重火山群 / 地熱発電 / 中性熱水 |
研究開始時の研究の概要 |
台北市近郊の大屯火山群は、台湾で高温地熱系が期待される唯一の活火山であり、これまで主に強酸性熱水(Cl-SO4型)である深成酸性熱水で、地熱発電に適する中性熱水は報告されていない。本研究では、大屯火山群における中性の熱水活動が卓越する地熱系の存在を検討するため、火山層序・年代から火山形成史と噴気活動の分布と化学的特徴の把握から地熱系の地質学的概念モデル(地熱系モデル)を構築する。本研究の成果は台湾の地熱開発対象を飛躍的に拡大し、防災・減災上の基礎的資料になり、高硫化系金鉱床の成因をより詳細に知る手掛かりにもなる。
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研究実績の概要 |
田口・米津は火山ガスの影響の強い強酸性変質作用が認められる九重硫黄山の変質帯調査と台湾の大屯火山の火山体中央部付近に分布する強酸性の噴気活動地域の変質帯の調査を行い試料を採取することができた。なお、これらの試料については現在分析を行っている所である。また、酸化的な硫黄種が卓越する両地熱地域で現在硫化鉄の沈殿が行われている場を見出し試料採取ができ、これらの試料の分析・検討は高硫化系金鉱床における珪化岩中の硫化鉄形成のメカニズムの解明に貢献できると思われる。 三好は前年度に引き続き阿蘇火山を対象にして調査を行った.阿蘇火山は九重火山群と同じ九州の火山フロント上に位置する活火山であり,日本で二番目に大きいカルデラを有する.このカルデラ形成前の火山活動史およびマグマの成因を調べるため,カルデラ壁から採取した火山岩試料に対し偏光顕微鏡岩石記載,主成分・微量元素組成およびストロンチウム同位体分析を行った.これらの結果から,最初のカルデラ形成噴火の直前には苦鉄質マグマによる地殻同化作用がマグマ生成の主体的なプロセスであった可能性があることが示された. 奥野は五島福江島の鬼岳スコリア丘の形成過程について地形・地質調査を行い,その結果を日本火山学会と日本地形学連合,自然災害研究協議会西部地区部会研究発表会で発表した.スコリア丘形成時に崩壊と修復を繰り返していることがわかった.また,The 9th East Asia Accelerator Mass Spectrometry Symposium, (KIST, Seoul, Republic of Korea)において,姶良カルデラの入戸火砕流の14Cウイグルマッチング年代を発表した.これは入戸火砕流の正確な年代を得るだけでなく,そのために必要な暦年較正曲線についても検討する材料を提供するものである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始時期がCOVID-19により台湾への渡航ができず、研究開始2年目の終わり頃(2023年初頭)よりようやく台湾の野外調査にいけるようになった。そのため、台湾の野外調査がやや遅れ気味であった。台湾の野外調査が行えなかった期間には、主に九州の火山および地熱帯の野外調査を行うことができ、国内の調査は比較的に順調にすすんでいいると言える。 田口・米津は2024年1月にようやく2回目の大屯火山の調査が行え、大屯火山地域の主要な噴気地から試料を採取できた。現在はそれらについての分析を行っているところである。国内の地熱帯では大屯火山の地熱活動と対比しうる九重硫黄山のマグマー熱水系の変質状況を明らかにしてきた。 三好は主に阿蘇火山の最初のカルデラ形成噴火の直前に苦鉄質マグマによる地殻同化作用がマグマ生成の主体的なプロセスであることを見出し、またそのような活動に関する年代も明らかにしてきた。 奥野は大屯火山におけるピストンコアの採取を行い大屯火山の噴火形成過程を再検討を行っているところで、また国内においては九州の火山地域の14Cウイグルマッチング年代による高精度の噴火形成史及び形成過程を明らかにしつつある。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は最終年度になるので、これまでに採取した試料の分析終わらせ、各自の結果を総合し、九州の火山‐熱水系の特徴と比較しながら大屯火山における酸性熱水活動の特徴を明らかにし、大屯火山群の中に中性の熱水系が分布する可能性の地域を抽出する。 その為、田口・米津は2024年1月に採取した試料の分析を終え、大屯火山群の中心部における熱水活動の特徴を明らかにする。 三好は阿蘇火山で行ってきた微量成分から得られる火山活動の特徴を、大屯火山群の噴出物にも応用し,広大な地域に酸性熱水を供給するマグマ供給システムを明らかにすることを目指す。 奥野は再度の大屯火山群周辺の地形・地質調査を行い、採取試料の14C年代測定を行う。また2023年1月に採取した試料の分析と追加試料の採取を行って,同火山群の最新の噴火活動について検討を進める。 なお、各分担者はそれぞれまとまった段階で国内外の学会において成果を発表する。
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