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地震計記録と極値統計学に基づく確率論的地震動予測法の開発と性能検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K03686
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分17030:地球人間圏科学関連
研究機関国立研究開発法人防災科学技術研究所

研究代表者

澤崎 郁  国立研究開発法人防災科学技術研究所, 地震津波火山ネットワークセンター, 主任専門研究員 (30707170)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード極値統計解析 / 連続地震波形記録 / 区間最大振幅 / MeSO-net / 超過確率 / 最大振幅 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / Hi-net / 地震活動 / Frechet分布
研究開始時の研究の概要

本研究では、これまでに蓄積されてきた大量の地震計記録に極値統計解析を適用し、地震動記録の統計的性質のみに基づき、各地震観測点での地震動の活動度を定量的に評価する。その評価指標を外挿して2050年頃までの最大地震動の超過確率を算出し、実際の観測記録の傾向と従来の地震動予測法に基づく予測結果と照らし合わせ、地震動予測の高度化に資する情報を得ることを目的とする。

研究実績の概要

R5年度はMeSO-netの連続地震動記録から一定期間の区間最大振幅(IMA)を算出し、それに極値統計解析を施して、長期間における揺れの超過確率の推定を行った。MeSO-netは首都圏に展開された観測網であり、多くの観測点において地震以外によるノイズレベルが高く、1日ごとのIMAの大部分がノイズレベルを超えないことが判明したため、10日ごとのIMAを使って解析を行った。ノイズレベルが極端に大きい期間を含む観測点については、その期間を解析対象から除外した。2013年から2021年までのデータを用いた解析の結果、茨城県南西部や千葉県北部、茨城県・埼玉県境において今後30年以内に1000Gal以上の最大加速度(PGA)が観測される確率が高く、50%以上に達する点も多く見られた。一方、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県南部などでは、局地的に確率が高くなる点はあるものの、全体的に低い超過確率が算出された。ただし、この確率値は大地震時の揺れの飽和を考慮していないものであるため、実際の確率はこれよりも低くなると考えられる。茨城県南西部や千葉県北部では太平洋プレート境界面において通常時の地震活動が活発であるため、それを反映して大きな揺れの確率も高く推定されたと考えられる。また、この手法においては相模トラフにおける巨大地震(1923年関東地震など)のような繰り返し発生する固有地震を反映させることはできないため、千葉県南部や神奈川県での結果の解釈においてはそのことに特に留意する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

極値統計解析に基づき長期予測を行うという当初の目標が達成できたため。

今後の研究の推進方策

PGAは大地震時に飽和するため、今回算出したPGAの超過確率は過大評価されている可能性が高い。一方、波形の一部ではなく全体を使って算出される計測震度は、飽和の影響をより抑えられると考えられる。すでにMeSO-netにおける1日ごとの計測震度の最大値データベースは作成済みである。そこでR6年度は、計測震度を対象とした極値統計解析手法を構築し、その超過確率の計算を試みる。また、成果を学会発表や論文執筆などを通じて公表する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2021

すべて 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] 極値統計学を用いた大地震直後からの揺れ予測の試み2024

    • 著者名/発表者名
      澤崎 郁
    • 学会等名
      日本応用地質学会先端技術ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 事前分布の導入による本震直後における最大振幅予測性能の改善2023

    • 著者名/発表者名
      澤崎 郁
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2023年大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Forecast of maximum amplitude immediately after a large earthquake through the extreme value analysis of continuous seismogram2023

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Sawazaki
    • 学会等名
      IUGG General Assembly 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 地震計記録の区間最大値をとる時間幅が極値統計解析に及ぼす影響について2023

    • 著者名/発表者名
      澤崎 郁
    • 学会等名
      日本地震学会2023年度秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 極値統計理論に基づく余震による最大振幅の早期予測手法の開発2021

    • 著者名/発表者名
      澤崎郁
    • 学会等名
      2021年度統計関連学会連合大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 連続地震計記録の極値統計解析に基づく大地震後の平常時に対する揺れやすさの予測2021

    • 著者名/発表者名
      澤崎郁
    • 学会等名
      日本地震学会2021年度秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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