研究課題/領域番号 |
21K03687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
安達 聖 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 特別研究員 (80719146)
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研究分担者 |
勝島 隆史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (00611922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 雪粒子形状 / 形状指数 / X線マイクロCT / 3D-WaterShed法 / 積雪粒子 / 形状特性 / 非破壊計測 / 粒子形状変化モデル / 3D-Watershed法 |
研究開始時の研究の概要 |
雪粒子の形状は複雑であり温度環境により時事刻々と変化する.雪粒子の形状変化は積雪の物性に影響する基礎的な要素であるため,雪崩の発生予測研究などでは雪粒子形状の現状把握と変化予測に主眼が置かれているが,雪粒子形状を定量的に表現することは非常に難しい. 本研究では,X線CTを用い雪粒子の形状を捉え,複数の形状指数を用い表現する新手法に基づき雪粒子の形状を表現することで定量的に表現することが難しかった形状特性を明らかにし,定量的な種類判別の手法を提案する.また,X線CT内で雪粒子の変態実験を行い,連続的に計測することで雪粒子の形状変化の実態を解明し,これを示す「粒子形状変化モデル」を構築を目指す.
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研究実績の概要 |
本研究は,X線マイクロCT装置を用い雪粒子の形状を捉え,複数の形状指数を用い表現する新手法に基づき雪粒子の形状を表現することで,定量的に表現することが難しかった形状特性を明らかにし,定量的な種類判別の手法を提案する.また,X線マイクロCT装置内で雪粒子の変態実験を行い,連続的に計測することで雪粒子の形状変化の実態を解明し,これを示す「粒子形状変化モデル」を構築すること目的としたものである. 当該年度では,自然積雪がどのような形状特性を持つのかを明らかにし,雪粒子の種類を自動判別する手法を新たに提案するために,これまでに取得した雪粒子のデータのうち,データ数が不足している寒冷な地域の積雪や,降雪直後の積雪の雪試料を採取し,X線マイクロCT装置を用いて自然積雪の3次元データを取得した.寒冷な地域の積雪として,長野県乗鞍岳や山形県蔵王山など標高が高い山域の積雪深が1m程度の箇所から積雪試料を採取した.また,降雪直後の積雪として,雲粒付着が比較的少ない新雪を対象として積雪試料を採取した.これらの積雪試料の3次元データに対し,3D-Watershed法を用いて粒子分割を行ったのち,形状指数の分析を行った.また,既往研究で提案され,積雪モデルにおける雪粒子の変態モデルに採用されている雪粒子の形状指数であるDendricityとSphericityについて,X線マイクロCT装置によって得られた3次元データから,これらに相当する指標を導出するための手法についての検討を行った.これらと並行して,自然積雪試料の等温変化過程および温度勾配過程により形状変化する雪粒子の3次元データを連続的に収集するための実験装置について検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度の1月中旬の降雨と極端な気温上昇により寒冷な地域の積雪の積雪試料および.冬季を通じて降雪が少なかったことから降雪直後の積雪試料を十分に採取することができなかった.また,X線マイクロCT装置内での雪粒子の変態実験を実施できておらず,「粒子形状変化モデル」の構築に遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続し冬期間に様々な雪質の自然積雪を採集し,X線マイクロCT装置を使用し3次元データの収集を行う.夏期間においては,自然積雪試料の等温変化過程および温度勾配過程により形状変化する雪粒子の3次元データを連続的に収集する.自然積雪試料の温度管理については,X線マイクロCT装置筐体内に設置可能な2枚のペルチェ素子を利用した温度調節器を利用する.これらの取得した3次元データについて形状指数解析を行い,雪粒子の形状を定量的に表現することで,形状変化を連続的に表現する「粒子形状変化モデル」の構築を目指す.
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