研究課題/領域番号 |
21K03704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2021) |
研究代表者 |
伊藤 康人 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (20285315)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 地質学 / 岩石磁気学 / 古環境 / 磁性流体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、定方位採取された堆積物・岩石試料の孔隙に強磁性流体を圧入した後に磁化率異方性を測定することによって、地層流体の浸透率異方性を定量的に評価し、地盤沈下や環境汚染に繋がる地下水の流れがどの方向に卓越するかを解析する方法論を確立することを目的とする。さらに、X線マイクロフォーカスCTスキャナーを用いて強磁性流体を含浸させた試料を撮影し、微細な化石や生物擾乱の三次元的な可視化を行うと共に、多岐にわたる地化学分析との総合解釈を通じ、古環境変動を高精度で復元する。
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研究成果の概要 |
本研究では、石油・ガスなど地層流体の移動経路として機能する微細な堆積岩ファブリックを解明した。従来の手法では、割れ目ファブリックを三次元かつ定量的に評価することは困難であったが、我々はその評価に磁鉄鉱の懸濁液(磁性流体)を用いた。高圧下で、磁性流体は浸透性フラクチャーに沿って岩石に浸透し、流体の移動方向を示唆する。高精度X線CTスキャナーを用いて、堆積物粒子に隠れた無数の微化石が見出された。それは、地球史の大量絶滅と密接に関連した海洋無酸素事変プロセスを示すものである。本研究では、総合的な地質構造解析によって、沈み込み帯に発達する堆積盆における重要な断層群の可視化に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋無酸素事変は、極めて温暖な気候下にあった白亜紀に頻発しており、温室効果ガスの増加による急激な温暖化と環境悪化が懸念される現在の地球と相通ずるところがある。その発生メカニズムを詳細かつ定量的な古生物学的分析で評価することは、持続可能な環境を如何にして維持していくかという喫緊の課題として極めて重要である。また、堆積岩ファブリックと緊密な関連を持つ断層の三次元ネットワークを評価することは、地震など自然災害が頻発する変動帯でどのように防災・減災の取り組みを進めるかという課題の解決に、直接資するものである。
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