研究課題/領域番号 |
21K03718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
木村 友亮 岐阜大学, 工学部, 助教 (50624540)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 超イオン導電体 / 高温高圧実験 / X線回折 / ラマン分光分析 / 超イオン伝導体 / マルチアンビル装置 / X線構造解析 |
研究開始時の研究の概要 |
天王星と海王星で確認されている多重極磁場の生成に重要な役割を果たすと考えられている水とアンモニアの超イオン相の結晶構造については、実験で直接決定することが難しいために未だに制約できていない。一方、CaF2も高温高圧条件で超イオン相の存在が予想されている。その結晶構造については複数の計算手法によって氷物質の超イオン相よりも詳細に調べられているが、理論研究間で見解が一致していない上に、実験研究による超イオン相の存在の検証は行われていない。本研究では、超イオン伝導体の結晶構造の予想に適した計算手法の検証を目的として、CaF2の高圧超イオン相を実験的に探索し、その結晶構造を決定する。
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研究成果の概要 |
高温高圧下で超イオン伝導体になることが予想されているCaF2の12 GPa、700℃までの相関係をX線回折実験によって決定した。室温下において、フローライト構造のα相からコチュナイト構造のγ相への相転移を8.7 GPaで観測した。また、このα-γ相転移を6.4 GPa、400℃で観測し、この相転移は温度に対して負の圧力依存性を持つことを明らかにした。4.5 GPa、1500℃で得られたXRDパターンは、部分的なアモルファス化を示唆する試料由来の回折ピーク強度の著しい低下と、バックグラウンドの上昇を示した。この構造変化は、フッ素イオンの格子間拡散によってもたらされている可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天王星と海王星の内部物質である氷やアンモニアは、高温高圧下で超イオン伝導性を示すことがわかっている。しかし、その構造と物性についての理論モデルが構築できていないことから、これらの超イオン物質が惑星内部構造に与える影響については明らかになっていない。CaF2は高圧超イオン伝導体の中で、比較的低い温度圧力条件で超イオン導電体になることが予想されている。本研究で観測された4.5 GPa、1500℃におけるアモルファス化は超イオン伝導性の発現に起因すると考えられる。今後、この構造変化とイオン伝導性の関係を調べることで、惑星内部物質を含めた超イオン伝導体の物性理解につながることが期待できる。
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