研究課題/領域番号 |
21K03720
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 活志 京都大学, 理学研究科, 准教授 (70509942)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 応力逆解析 / 小断層解析 / 摩擦係数 / 断層不安定度 / 情報量規準 / 構造地質学 / テクトニクス |
研究開始時の研究の概要 |
地層を切る小断層は地質時代の地殻の変形の痕跡である.小断層の方位解析により,地殻にはたらいた応力だけでなく,地殻の力学特性である摩擦係数を知ることができる.地質時代に応力や摩擦係数が変化した場合,従来の解析手法では複数の応力や摩擦係数を求めることができなかった.そこで本研究は,混合確率分布モデルを導入することで,断層方位解析により複数の応力や摩擦係数を求めることができる手法を開発する.
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研究成果の概要 |
断層方位データから,複数の地殻応力と摩擦係数を推定する手法を開発した.断層の滑り方向は剪断応力に平行であると期待される.断層面の方位は断層不安定度が高い方向に集中すると期待される.これらの2つの条件を組み込んだ評価関数を用いた. まず,評価関数値が大きい解を図示し,複数の解を視認する手法を開発した.次に,最適解に対する残差の頻度分布に確率分布モデルを当てはめる手法により,情報量規準を利用して複数の解を自動認定する手法を開発した.新手法を第四系碩南層群(大分県別府湾周辺)を切る断層群に適用したところ,引張応力の方向と摩擦係数が変化したことが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地質時代の応力や摩擦係数の時空間変化を検出することは一般に難しい.地殻の強度を決定付ける摩擦係数は,標準的な値を想定して様々な議論が進められるが,岩相や断層帯の成熟度によって変化するので,実際の値を推定することが重要である.本研究により応力と摩擦係数の変動史を解明することが可能になり,プレート運動などの外力に対する地殻の応答を理解する研究が進むと期待される.本研究で開発した手法は,断層面の方位を特定できるならば地震のデータにも適用できる.地震や活断層のデータへの適用により,防災や地盤安定性の評価にも寄与できると期待される.
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