研究課題/領域番号 |
21K03726
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金嶋 聰 九州大学, 理学研究院, 教授 (80202018)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 深部マントル / 化学組成不均質 / 地震波散乱 / 地震計アレイ / 海洋地殻玄武岩 / マントル対流 / マントル・プルーム / 下部マントル / マントル遷移層 / 小規模不均質 / 海洋地殻物質 / ホットスポット / アレイ解析 / 不均質構造 / 玄武岩 / 物質循環 / 褶曲構造 |
研究開始時の研究の概要 |
地球物理学と地球化学による情報の間に存在する空間スケールの乖離という難点を克服すべく地震波散乱現象を解析して10kmスケールの不均質構造を調査する。地震計アレイデータ処理による散乱波(あるいは反射・変換波)の解析は、それらを地球深部の散乱現象に適用する場合、散乱源―アレイ間の距離がアレイ口径に比して大きすぎ、信号も微弱であるという難点を抱え、そのままでは有効でない。マントル深部起源の散乱波を有効に分析する独自の手法が求められており、本研究ではまずこの点取り組む。10kmスケールの不均質構造を解明し、数値シミュレーションにより得られるマントル対流イメージと地球深部の詳細な褶曲構造の比較検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、地震波アレイ解析の手法を用い、地球のマントル内部の対流によって摺曲・変形した玄武岩領域の詳細な構造及びそのグローバルな空間分布を明らかにし、マントルの物質循環、特に撹拌・混合に関する新たな描像を構築することを目的として、以下の三項目①から③に取り組んだ:①マントル中の小規模不均質構造(1から100㎞スケール)に起因する様々なタイプの地震波散乱の観測(図1参照)を総合してグローバルな散乱体分布を決定し、地震波トモグラフィが描く大規模スケール(100kmから数千km)の不均質構造との関連を調べた。②いくつかの顕著な小規模不均質構造に着目し散乱された地震波を新手法で解析することで各々の散乱体形状(褶曲構造)を詳細に決定した。③散乱体の形状と対流シミュレーションにより再現される褶曲構造を比較検討し、褶曲過程を支配する主要因である散乱物質と周囲のマントルとの密度と粘性コントラスト等について考察した。本研究によって、太平洋のサモアホットスポットに向けてマントル深部から上昇する流れ(マントル・プルーム)に、海洋地殻物質がマントル深部の対流中で撹拌された後に混合されて取り込まれる過程に関する観測的制約が与えられた。また対流する太平洋下の上部マントル内に、かつての海洋地殻物質によって構成された不均質構造が広く分布していることも明らかになった。これらの成果によって、火山岩の地球化学的分析によるマントル不均質像と、対流のダイナミクス・モデルを統一的に理解するための道筋が開けた。
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