研究課題/領域番号 |
21K03727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
望月 伸竜 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60422549)
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研究分担者 |
石川 尚人 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30202964)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 地磁気逆転 / ラシャンエクスカーション / 古地磁気強度 / アファール / 松山-ブリュン / エクスカーション / 古地磁気方位 / 溶岩連続層 / 地磁気エクスカーション / アファー / 絶対古地磁気強度 / 地磁気ベクトル |
研究開始時の研究の概要 |
地磁気逆転時の地球ダイナモの特性を議論するためには,絶対古地磁気強度を含む地磁気ベクトルを復元して,通常期との相違を把握する必要がある。そこで,本研究では,研究代表者が試料を保有している,松山-ブルン逆転の完了期の溶岩連続層記録(マウイ島溶岩試料)に対して,古地磁気強度測定を行い,地磁気ベクトル変動の復元を行う。また,エチオピア=アファー拡大軸の複数の溶岩連続層を採取し,松山-ブルン逆転記録の探索を行い,逆転全期間の地磁気ベクトル変動の復元を試みる。以上により,逆転期の地磁気ベクトル変動の特徴を定量的に把握することが本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
本年度は,2022年にエチオピア・アファー凹地のテンダホグラーベンにおいて採集した32溶岩の古地磁気方位・古地磁気強度測定を開始した。各溶岩について,1ブロックから整形した1試料について,綱川-ショー法による古地磁気強度測定を行った。これらの測定結果により,以下のような予察的な測定結果を得た。セクション1(18溶岩)は,逆磁極-正磁極-逆磁極の逆転開始期と推定される不安定な方位変動を記録していた。古地磁気強度は,正磁極のときに一旦強くなり,急減していく過程で逆磁極に入っていき,そのまま減少した強度が続いている。セクション2(9溶岩)はほぼ全て逆磁極であった。古地磁気気強度は,きわめて弱い値を継続していた。セクション3の5溶岩は,すべて中間方位を記録しており,この結果はKidane et al. (2003)で報告されている2つの中間方位とよく似ていた。この5溶岩からもいずれも弱い古地磁気強度が得られ,エクスカーション中の磁場の特徴と考えて良いだろう。 また,2022年にフランスのCentral Massifの火山群において採集したラシャンエクスカーション(4万年前)を記録する溶岩とその前後の期間の地球磁場を記録する溶岩に対する古地磁気方位・古地磁気強度測定をほぼ完了することができた。綱川-ショー法による古地磁気強度測定の結果、測定した58試料中41試料が合格基準を満たした。その結果,7溶岩8サイトについて,各サイトから強度データを3-6個得ることができ,それらの平均を各サイトの古地磁気強度データとして採用した。ラシャンエクスカーション期間の中間方位を記録する溶岩からは,従来報告されていた強度よりも10-40%程度弱い古地磁気強度を得た。また,正帯磁の溶岩からも1サイトはエクスカーション記録と同程度に弱い古地磁気強度を得た。この溶岩はエクスカーション期の始まりか終わりの地球磁場を記録している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では2021年度に試料採集のためのエチオピア調査を行う予定であったが,コロナ禍の影響を受けて実施できなかった。計画を見直し,2022年度にフランスおよびエチオピアでの調査を行った。そのため進捗が1年程度遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はエチオピアで採集した溶岩試料の古地磁気強度測定を集中的に進める予定である。フランスで採集したラシャンエクスカーション記録の古地磁気強度測定の結果についてはほぼ完了しているので,残りの測定を行い,論文化をする。
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