研究課題
基盤研究(C)
本研究では,火山弧における山地形成メカニズムを,熱年代学の手法を用いて検討する。より具体的には,東北日本弧北部の奥羽脊梁山地と,フィリピン・ルソン弧のコルディレラ山地などを事例対象地域として,山地横断方向の削剥速度の分布パターンを推定し,山地がブロック状に隆起しているか,ドーム状に隆起しているかを調べる。これにより,沈み込み帯の火山弧における新たな山地形成および内陸地震発生モデルの構築を目指す。
一般に山地はプレート同士の衝突が原因で生じる力学的な作用(断層運動,褶曲運動など)で形成されるが,プレートが沈み込む境界では火山の熱が山地の形成メカニズムに影響を及ぼしている可能性がある。筆者らは,熱年代法(熱による放射年代の若返りを基に,岩石が経験した温度の履歴を復元する手法)を用いて,山地の隆起パターン(ブロック状に隆起するかドーム状に隆起するか)を推定することで,国内外の沈み込み帯のいくつかの山地について,熱による影響の有無を検討した。その結果,いくつかの山地では熱による影響が示唆され,沈み込み帯の山地形成モデルを見直す必要がある可能性が示された。
山地の形成は,過去にどのような力が地殻に加わってきたかを反映している。すなわち,プレート同士の衝突で地殻に力が加わると,断層がずれて地震を起こし,そのずれが蓄積して山地を形成する。そのため,山地の形成過程を明らかにすることは,その地域の地震の起こり方や起こりやすさを理解することにつながる。通常の山地は,地形に明らかな大きな活断層が繰り返し動くことで,断層の片側が隆起して形成されるが,本研究の成果によれば,沈み込み帯では無数の小さな断層が散発的に動くことでも山地が形成されることが示唆された。このような小断層は地形に痕跡が残りにくく,現在の地震評価では十分に考慮されていない可能性がある。
すべて 2025 2024 2023 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (16件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 7件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (70件) (うち国際学会 26件、 招待講演 3件)
地形
巻: -
Earth and Planetary Science Letters
巻: 644 ページ: 118830-118830
10.1016/j.epsl.2024.118830
Geochronology
巻: 6 号: 3 ページ: 313-323
10.5194/gchron-6-313-2024
地質学雑誌
巻: 129 号: 1 ページ: 503-507
10.5575/geosoc.2023.0016
Earth, Planets and Space
巻: 75 号: 1
10.1186/s40623-023-01921-5
巻: 75 号: 1 ページ: 1-11
10.1186/s40623-023-01927-z
Geology
巻: 51 ページ: 131-135
10.1130/g50599.1
Island Arc
巻: 31 号: 1
10.1111/iar.12462
巻: 591 ページ: 117607-117607
10.1016/j.epsl.2022.117607
Tectonophys
巻: 828 ページ: 229231-229231
10.1016/j.tecto.2022.229231
巻: 73 号: 1 ページ: 231-231
10.1186/s40623-021-01556-4
巻: 1 号: 1
10.1111/iar.12414
原子力機構の研究開発成果2021-22
巻: 2021-22 ページ: 86-86