研究課題/領域番号 |
21K03738
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
足立 奈津子 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40608759)
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研究分担者 |
江崎 洋一 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60221115)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 生物礁 / 微生物礁 / カンブリア紀 / 生物放散 / 海洋環境 / 石灰質微生物類 / ストロマトライト / 生物多様性 / 礁生態系 / エディアカラ紀ーカンブリア紀 / 微生物類礁 / 生命の多様化 / 地球環境変遷史 |
研究開始時の研究の概要 |
エディアカラ紀/カンブリア紀境界付近での骨格生物の突如の出現と同時期に微生物類礁の特性も大きく変化した.しかし,微生物類礁の変化の詳細は時間軸に沿って明らかになっているわけではない.本研究は,微生物礁と骨格生物の同時期での大変動の背景にある生物・環境要因を理解するために,上部エディアカラ系から下部カンブリア系での微生物礁の特性変化と骨格生物の出現・多様化を統合した「礁生態系の変遷過程」を明らかにすることを目指す.
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研究実績の概要 |
エディアカラ紀末からカンブリア紀前期は,骨格を備えた生物が出現した時代であり,生物の急激な放散が生じた地球生命史において重要な時代である.礁生態系でも,最古の造礁骨格生物 (古杯類) がカンブリア紀前期に出現し,古杯類礁が熱帯浅海域に世界的に形成された.微生物類礁は,先カンブリア時代から引き続きカンブリア紀前期においても豊富な存在であったが,その構成要素はカンブリア紀に入って大きく変化したことはほとんど知られていない. 本年度は,中国のカンブリア紀からオルドビス紀の礁の変遷と石灰質微生物類の多様性に注目して調査をおこなった.北中国や南中国の礁の記録はカンブリア紀テレニュービアン世では不明瞭である.シリーズ2世以降,その分布は不連続ながら豊富である.南中国での古杯類の出現と同時期に石灰質微生物類も出現し,石灰質微生物類が礁の形成に関与した.シリーズ2世では,北中国や南中国で11種類もの石灰質微生物類が知られている.一方,古杯類礁の消滅したシリーズ2世末以降から前期オルドビス紀まで,微生物類礁 (ストロマトライト礁,スロンボライト礁) は豊富に発達したものの,石灰質微生物類の多様性は著しく低い.約4種類程度の石灰質微生物類が北中国や南中国から知られているだけである.中期から後期オルドビス紀になると,新たな造礁骨格生物 (コケムシ,床板サンゴ,層孔虫) の出現や多様化とともに,生物礁が広く形成された.石灰質微生物類も急激に多様化し,少なくとも11種類もの石灰質微生物類が北中国や南中国から産出する.オルドビス紀前期以降,典型的な微生物類礁であるストロマとライトは急激に減少したが,一方で,石灰質微生物類は多様で,造礁骨格生物とともに礁の構築に貢献した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始当初にコロナによって海外野外調査を実施することができず,試料の獲得と解析が進まなかった.その後の計画が後ろにずれ込んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として,モンゴル西部地域や北中国,南中国のデータを基に明らかになった生物礁の特性 (微生物類礁の組織の変化,石灰質微生物類の種類の変化など) とその変化に影響を与える地球生物学的要因との関係について総括する.これら成果について,国内,国際学会で発表するとともに,学術論文としてまとめ投稿をおこなう. また,最終報告書としてまとめる.
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