研究課題/領域番号 |
21K03755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
石田 祥子 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (40636502)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | コア構造 / 複合材 / Metamaterial / 塑性変形 / 折紙 / 複合材料 |
研究開始時の研究の概要 |
構造の軽量高剛性化は,機器の燃費向上,建築物の資源節約,ごみの削減につながるため,持続可能な社会の実現へと貢献する重要な技術である.ハニカムコアは軽量高剛性な構造として広く普及しているが,支持できる荷重の方向は限定され,衝撃荷重に対する性能にも欠点がある.本研究では,折紙の数理を用いて,コア構造の機械的特性を設計する方法を確立することを目的とする.設計したコアに対し,圧縮試験,せん断試験,衝撃試験を行い,剛性や強度を明らかにする.
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研究実績の概要 |
ハニカムコアは軽量高剛性な構造として広く普及しており,ハニカムコアを用いて機械を設計する上で強度や剛性は特に重要な特性である. ■折紙の数理による新ハニカムコアの設計 折紙の数理を基に設計した,面外強度を向上させた新たなハニカムコアの面外強度以外の力学的特性を明らかにするため,新ハニカムコアを数値モデル化し有限要素解析を行った.新ハニカムコアには角筒セルが付加されているが,曲げ剛性にはほとんど影響せず,従来のハニカムコアと同等という結果が得られた.せん断剛性に関しては,角筒セルの形状が特殊な場合には従来のハニカムコアよりも剛性が向上し,それ以外の場合は同等という結果が得られた.また,従来ハニカムコアのせん断剛性の理論式(Gibson & Ashby, 1999年)を拡張し,新ハニカムコアの付加的な角筒セルを考慮した理論式を立式した.解析結果および理論式により,面外強度,せん断剛性,曲げ剛性はトレードオフの関係にないことが分かったため,総合的に判断して従来ハニカムと同等あるいはそれ以上の特性を持つと言える.さらに,汎用性の高い熱可塑性樹脂を用いて精度よく新ハニカムコアを製造するための成形条件を明らかにした.これらの結果は国内学会にて口頭発表を行った. ■円筒ハニカムコアのせん断剛性 折紙の数理に基づいて設計した円筒ハニカムコアのせん断剛性を検討するため,圧縮試験機の並進距離を回転距離に変換し,与えた変位とトルクの関係から円筒ハニカムコアのせん断剛性を算出するクランクスライダ機構を用いたせん断実験手法を構築した.従来ハニカムコアのせん断剛性の理論式を拡張した円筒ハニカムコアの理論式を立式し,さらに有限要素解析によりせん断剛性の解析値を求め,実験値,理論値,解析値の定性的な傾向が一致することを確認した.これらの結果は国内外の学会にて口頭発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論,数値解析,実験の複数のアプローチを用いてコア構造の特性を検討しており,齟齬のない結果が得られている.2021年度に出願した特許やこれまでの学会発表の成果として,新ハニカムコアに関して民間企業から技術的問い合わせがあった.技術移転も視野に入れて研究を進めており,研究は順調であると言える.
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今後の研究の推進方策 |
■折紙の数理による新ハニカムコアの設計 新ハニカムコアを試作し,せん断剛性と曲げ剛性の実験的評価を進めている.民間への技術移転も視野に入れ,金属材料での試作も検討する. ■円筒ハニカムコアのせん断剛性 円筒ハニカムコアのせん断実験を継続し,設計変数とせん断剛性との関係を明らかにする.
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