研究課題/領域番号 |
21K03758
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
和田 明浩 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60321460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | FRP / RTM成形 / 超音波 / 振動付与 / 力学特性 |
研究開始時の研究の概要 |
軽量かつ高強度・高剛性な工業材料として普及している繊維強化プラスチックス(FRP)の新たな成形法について研究する.FRP成形法の1つであるRTM(Resin Transfer Molding)成形法では,注入口から樹脂を加圧注入して成形型内に配置したドライ繊維に樹脂を含浸させ,樹脂硬化後に脱型して製品を得る.このため,繊維への樹脂含浸状態が成形品の品質を左右する.本研究では,成形型の一部に選択的に超音波振動を付与することで型内での樹脂流れをコントロールするとともに,繊維/樹脂界面の密着性を改善して成形品の機械的特性の向上を試みる.
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研究成果の概要 |
本研究では,RTM成形型の一部に高強度の超音波振動を付与することで,樹脂流れを制御するとともに,繊維/樹脂界面の密着性の向上を試みた.超音波振動の付与は繊維束への樹脂含浸を促進する効果があることが確認された.しかし,その効果は振動子付近に限定されるため,複数の振動子を選択的に駆動して樹脂流れをコントロールするには至らなかった.また,超音波振動による繊維束の発熱がみられたことから,樹脂の温度上昇による粘度低下の影響もあることがわかった.成形品の機械特性向上の観点からは,成形過程における超音波振動の付与は有効であるが,過度な振動付与は成形品の機械特性を低下させることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FRPは軽量でありながら高強度・高剛性であり,耐食性にも優れることから,構造体のさらなる軽量化が求められる輸送機器分野において利用が拡大している.近年,高品質のFRPを低コストで製造する成形法としてRTM成形法が注目されているが,成形型内での樹脂流れのコントロールが難しいという問題ある.本研究では,RTM成形型の一部に高強度の超音波振動を付与することで繊維束への樹脂含浸を促進し,樹脂流れをコントロールする手法を示した.また,成形過程における適切な超音波振動の付与により,成形品の機械特性が向上することを見出した.これらは,FRP製品の品質改善に寄与する研究成果であり,社会的意義が大きい.
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