研究課題/領域番号 |
21K03763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 佐世保工業高等専門学校 |
研究代表者 |
西口 廣志 佐世保工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00580862)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 水素脆化 / 製膜 / 水素侵入防止 / コーティング |
研究開始時の研究の概要 |
水素脆化は社会インフラや新エネルギー関連技術の根幹をなす構造用金属材料の安全を脅かす深刻な問題であり、その克服は喫緊の社会的問題である。構造用金属材料には、異種金属を結合させることで、特性を発現させるものが多く存在する。異種金属界面にはBCC、FCC、HCPなどの異種結晶界面、マルテンサイト・フェライトなどの組織異相界面などが考えられる。これらの金属異相界面の不整合性は水素トラップの効果を有することから、粉体ターゲットスパッタリング法や電気メッキによって生成した異種金属の微細粒界面間に生じる水素トラップ効果を明らかにし、耐水素脆化を実現する膜の技術の革新に挑む。
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研究成果の概要 |
S25C鋼、S45C鋼、SCM435鋼、SUS304鋼、FC200各材料の試験片それぞれに高温水素ガス中暴露を行い、水素侵入量の調査を行いました。その結果、製膜部には複数の合金が存在する膜が完成し、FC200を除きほぼ100%の水素侵入防止が成膜することにより達成されました。水素インフラでは継手など複雑な形状を有する部材も存在しており、そうした部材にも製膜可能なAl粉体熱処理成膜法で製膜が可能であることがわかり、かつ水素侵入防止解析も行い膜の検証を進めました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:本研究成果により、水素侵入防止効果のある膜中の微粒子の界面状態と水素侵入防止効果の関連性についての重要な知見が得られました。また、製膜材の引張試験において、未チャージ材、水素チャージ材いずれにおいても、母材が塑性変形を開始すると膜にき裂が生じますが、内部起点の破壊となることが確認されました。 社会的意義:本研究成果が水素インフラに実用化されれば、母材中への水素侵入防止が期待できます。その結果、JARIなどに認められているSUS316Lなどの高コスト材に代わり、炭素鋼や低合金鋼に製膜した材料で代替可能となり、水素社会の安全性と経済性の両立が実現可能となると考えられます。
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