研究課題/領域番号 |
21K03768
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山崎 泰広 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (70291755)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 遮熱コーティング / 微粒子溶射 / 組織構造制御 / 熱応力緩和 / 遮熱特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研では,核心をなす問いを『ナノからミリメートルにわたるマルチスケールで組織構造を制御することで,従来はトレードオフの関係にある低熱伝導性と熱応力抑制を両立した耐熱材料が開発可能か?』と設定し,この学術的な問いに対し,TBCを対象として取り上げ,マルチスケール組織構造制御により,工学的解『従来TBCの特性を凌駕する高遮熱性・高耐久性を有するTBCの開発が可能であることを証明する』ことを本研究の目的とする.
|
研究成果の概要 |
耐熱構造材料では,熱伝導率の低減が内部熱応力を上昇させて損傷の加速や寿命低下を引き起こすため“高い熱伝導率”により“熱応力を抑制”することが善とされてきた. 本研究では,一般的にトレードオフの関係にある低熱伝導率化と内部熱応力の抑制の両立が可能かという命題に対して,遮熱コーティングを事例として,遮熱層を柱状YbTa3O9とYSZ層の複合柱状組織を有する遮熱コーティングを開発し,その遮熱性・耐久性を検討した.その結果,柱状複合組織により低熱伝導性と熱応力抑制の両立が可能であることを実証し,開発コーティングが従来材を凌駕する特性を有することを実験的に明らかにした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で提案したナノからミリにわたるマルチスケールの結晶・組織構造制御により,従来,トレードオフの関係にあった低伝導性と熱応力緩和の両立が可能であり,従来遮熱コーティングをはるかに凌駕する耐熱サイクル性が得られることを実証した.さらに,時間軸(経時変化)も考慮した破壊挙動の理解とそれに基づく組織構造の最適化の指針を提示することが可能となった. 得られた成果から,マルチスケール組織構造制御の概念を耐熱構造材料に水平展開することにより,“低熱伝導かつ低熱応力”の機能を有する新しい耐熱構造設計につながることが期待される.
|